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7.社員寮の一室にて ページ9

太宰side

『お邪魔します』

そう言って私の家に上り込むAちゃん。

よく知りもしない男の家によくもまあ普通に入ってこれるものだ、と少し驚いた。

「Aちゃん、晩御飯は何が良いかい?」

『あ、良ければ私が作ります。泊めてくれるんですから。何が良いですか?』

こういうことに慣れているのだろうか、エプロンありますか?と笑顔を向けてくる彼女。

矢張り私に少し似ている。

「じゃあ、お言葉に甘えて。蟹料理が良いかな。エプロンなら此方だよ」

そして彼女にエプロンを渡すと台所まで案内して私は本でも呼んで待っていることにした。


『太宰さん、出来ました』

時計を見ると15分ほど経過していた。

テーブルに料理を並べる彼女から声がかかった。

『お口に合うかは分かりませんが』

「こ、此れは…っ」

香ばしい匂いの漂ってくるとても美味しそうな蟹チャーハンだった。

味付けも私好みでとても美味しい。

「とても美味しいよ!Aちゃんはよく料理をするのかい?」

『良かったです。…はい、ほとんどの家事は私がしてましたから』

「家庭的だね、良いお嫁さんになれると思うよ」

『結婚、はしない予定ですけど…ありがとうございます』

そんな他愛のない話をしながら食事を済ませた私は少し気になっていたことを聞いてみることにした。

「Aちゃん。君、いきなり違う世界に飛ばされて来たのにどうしてそんなに冷静なんだい?」

『私はどんなことが起きても冷静でいられるようにしてるんです』

私の少し意地悪な質問にも笑顔で答える彼女。

だが、そんな彼女の表情も私の次の言葉によって少し歪んだ。

「では別の質問をするよ。…Aちゃん、君はもしかして人を殺したことがあるのかい?」

『…そんなわけが』

「今日探偵社で人殺しが怖いと言っていたね。だがどう見ても怖がっているような表情ではなかった。まぁそれだけでは流石に分からなかったが、そのあと話を逸らしただろう?もしやと思ってね」

そこまで言うと彼女の雰囲気が変わった。

最早彼女の顔から笑顔は完璧に消えていた。

『それを聞いてどうするんですか?依頼を断りますか?』

8.私と彼の過去→←6.此方の世界の文豪たち〜後編〜



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らおらお(プロフ) - 好きです。読み続けたくなる。 (2019年4月3日 17時) (レス) id: ee472e7980 (このIDを非表示/違反報告)
四ッ谷(プロフ) - 一つ小説の話としては、最初のしおちゃんがいないシーンですが、さとちゃんならもっと焦ってて、太宰さんの言葉もすぐ切り上げてどっかいってしまう位の子だと思われますよ〜!(でもそしたら文ストとの関わりが無くなるのか?) (2018年10月30日 17時) (レス) id: fcad229650 (このIDを非表示/違反報告)
四ッ谷(プロフ) - そもそもさとちゃん自体がいない…?何方にせよ、ハピシュガが大好きな身としてはあまり好ましくない設定なので、今一度設定を見直して頂くか、類似設定の別物(異能の名前を変えて、しおちゃんは別の名前の女の子にするなど)していただけると幸いです。 (2018年10月30日 17時) (レス) id: fcad229650 (このIDを非表示/違反報告)
四ッ谷(プロフ) - あの、3話までしか読んでないのでその後の設定に関わる様なら申し訳無いんですけど、さとちゃんが夢主と成り代わってる時点でそれってもうハピシュガの設定を借りただけの別物ではないですか…?これだとキャラ崩壊以前の問題の様な気がします。 (2018年10月30日 17時) (レス) id: fcad229650 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - 最近ハッピーシュガーライフのアニメを見てたのでコラボ作品を見つけてテンションが上がりました!とても面白くて好きです!これからどうなっていくのか楽しみです、更新頑張ってください!^^ (2018年9月12日 17時) (レス) id: 8afcf3da14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiri | 作成日時:2018年9月7日 23時

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