【A3!】優しさを溶かして＿ 【茅ヶ崎至】

番外編 ページ49

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「なんか文句でもあるんですかぁー？」

「いいえー、何も言ってませんけどー。
自意識過剰ですか？Aサン？」

「あー！もう腹立つ！！！」



今日も目の前で喧嘩しているAと万里。

毎度毎度、よく飽きないな。



「相変わらず仲いいね、おふたりさん」



はは、と笑えば





「こんなやつ大っ嫌いですよ！」
「こんな女嫌いっすよ！」




と見事にハモる。




「「真似すんな！」」

って、また睨み合ってるし。




Aは万里と喧嘩する時
いつも俺には見せない顔してて。
(睨んでてすごい顔だけど)


そこに嫉妬している自分もいた。





大の大人が高校生相手に…
って少しおじさんクサいこと思ってみる。



俺は２３の大人で、Aはまだ高校生。





「はぁ…まじ法律ジャマ」


一瞬隠れて付き合えばいいじゃんって考えが浮かんだけど、もし会社の人間にバレたらまずいことになる。




ゲーム画面から目を離して、
まだ喧嘩してる２人を眺めた。




「だぁー！もう、お前ホンットガキだな！」

「それを言うならアンタもでしょ！？」

「はぁ？俺はもう立派な大人だ」

「私だって大人ですー！」





Aが早く大人になったら。




周りの目なんて気にせずに、
Aと一緒にいられる。




自分のものに…できる。





モヤモヤと独占欲が生まれた俺は、
ボソリと呟いた。




「A、早く大人になりなよ」

「ええ！？至さんも言いますか！？」


小さく呟いたはずなのに、
Aには聞こえてたみたいで。



万里との喧嘩に入ってきたって勘違いしてるけど。




「うん♪」



俺はニッコリ笑う。





「そうすればAのこと独り占めできるし」





鈍感屋なAも少しは察したのだろうか、





ﾎﾞﾝｯ





と音がするくらい顔が赤くなった。





「俺の勝ち｣

と、万里を見れば



万里は悔しそうにチッて舌打ちをした。




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