生徒会長が恋したのは恋愛未経験の彼女でした (ページ7)

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6．俺だけのものにしたいページ7

姉さんの声がかかり、体力が尽きているみんなでもダッシュで園に戻って行く。

基「…あれ？A…？」

園に戻る途中、周りを見渡してAがいないことに気がついた。俺は、もしかして、っと思い、グランドへ引き返した。

基「あっ、いたいた！Aー‼」

貴「あれ？ヒロトさん？」

俺が駆け寄るとAは少し驚いた様子で振り返った。手にはサッカーボールが乗っていた。

貴「どうしたんですか？お昼なんですよね？」

基「Aがいなくて、もしかしてと思ってさ」

貴「すみません…。物思いに耽っていただけです」

Aは悲しそうな目で手に乗っているボールを見た。Aがお日さま園に来た理由は、『親に捨てられた』か『親が亡くなった』のどちらかだ。どちらにしても悲しい出来事に変わりはないわけだ。しかも、今日来たばかりなのだから最近の出来事だ。そう簡単には忘れることなんて出来やしない。

貴「私がここに来た理由、知りたいですか？」

基「…え？聞いても…いいの？」

貴「何ででしょうね…。ヒロトさんと一緒にいると、安心して何でも話せる気がするんです…。変ですね」

Aは苦笑いしながら俺を見つめた。…何だろう、この感じ。俺、Aのこと…知りたいと思ってる。その上で、Aと接していきたい。…何よりも…俺を頼ってくれるAが好きなんだ。晴矢や玲名に『お前も、モテるんだし、彼女を作ったらどうだ？』っと、言われたのを思い出した。

＿＿＿＿＿俺、Aを……俺だけのものにしたい。

貴「話…聞いてくれますか？」

基「勿論！立ちっぱなしだとあれだから、ベンチに座ろうか」

俺は、隣に座るAの話に耳を向けた。