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5話 ページ10

「お待ちしてました、どうぞ乗ってください」

目の前には黒い車と今日の担当である伊知地さん
そう促されて後ろの扉を開ければ、狗巻先輩が座っていた

「あれ?今日、先輩とですか?」

「しゃけ、こんぶ?」

「そうだよ、聞いてない?」いまだにおにぎり語が分からない私に気遣い、スマホで教えてくれた

言葉が分かるようになればいいのに……

とりあえず車に乗り込み、仕組んだであろう人に電話をかけた

「うそつき」

「ごめーん。美菜子ちゃん、休みだったの僕忘れてた」

いつも私の担当は美菜子ちゃんこと、笹原美菜子さんだ
休みなの分かってたのに絶対わざとだ
しかも……

「ツナマヨ」と笑顔で「よろしく」とスマホを向けている狗巻先輩との任務だし何を考えてるんだ

優しい人だとは思うけど、やっぱりおにぎりの具で語彙を絞られてるとコミュニケーション苦手なのにさらに難しさが増してしまう
しかも男の人

4級は誰かと組んでとしか任務が出来ない

だからって狗巻先輩と?パンダ先輩とかでも良かったじゃん!

「いやぁ、A、男の人苦手でしょ?そろそろ、棘とも仲良くしてあげてよ
悪い子じゃないし?それに恵たちより親切だしね」

確かに親切だけどチラッと狗巻先輩を見れば、今日の任務の内容を確認してるようだ

「わかりました。善処します」

そう言ったもののちょっと難関

浅くなっていたフードを被りなおし、伊知地さんに渡されていたiPadで任務の確認する

相性いいのか?絶対、相性わるいっしょ

ウェストポーチから式神の紙と呪力を紙に込め、その紙を矢に次々と結びつけた

「着きましたよ」

伊知地さんに声を掛けられ、降りた先はやはり空気が淀んでいた

▽→←4話



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作者名:ゆきはな | 作成日時:2021年4月27日 22時

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