恥ずかしがり屋と呪言師 (ページ40)

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狗巻先輩と歩いて、ふっと思っていたことがあった

小さい頃も確かに狗巻先輩は今と同じようにみんなと一緒のときはおにぎり語を話してたけど、二人のときって「Aちゃん！ひまわりみにいこ！」って普通に話してなかった？

あれ？なんで出来てたんだっけ？

「ツナ？すじこ？」

少し考え混んでしまったようで、先輩が心配そうに顔を覗かせた

「あっ、ううん。何でもないですよ」

「ツナツナ！」

そう言って指差した先には最近話題になっているクレープ屋さん
並んでる人はとても少なかったこともあり、すぐに買うことが出来て運が良かった

近くにあったベンチに座り「いただきまーす」と頬張ると美味しすぎてニコニコが止まらなくなる

「おいしい！！先輩も食べます？！」

急に吹き出す先輩に「なんで、笑ってるんですか！」と突っ込めば「高菜」と謝ってなくて、お腹を抱えて笑っていた

「もう、なぁに？！」

半ギレのように問いただせば、「つな、明太子」と頬や鼻についていた生クリームを指先で器用に拭き取られ、そのまま器用に私の腕を反対の手で掴み、パクりとクレープを食べていた

「へ？」

先輩は、拭き取った指先の生クリームもペロリとなめ、“ツナマヨ”と呟き、不意に見えた舌にどきりとしてしまう

「すじこ？」

呆気にとられてた私の意識は、棘先輩の言葉で戻され、手元に残っていたクレープを慌てて食べたけどドキドキし過ぎて、味が分からなくなってしまった