恥ずかしがり屋と呪言師 (ページ22)

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私の話を一方的に聞くと悠仁くんは「そっか」と小さくつぶやいた

「Aはさ、今まで好きな奴いたことねぇの？」

「好きな人？いっぱいいるよ？野薔薇ちゃん、恵くん、真希先輩、棘先輩、パンダ先輩
あ！もちろん、悠仁くんも！」

名前を次々に出していくも「そうじゃなくてさ」と制されてしまった

「こう、なんつーか、恋愛感情として大好き！付き合いてぇなとかねぇの？」

恋愛感情？何それ？

「そういうのわかんない」

「側にいるとドキドキするけど、落ち着くなとか、ずっと側にいたいとか？」

「なんで疑問系」

「恋愛感情を説明するって難しいんだって！
A、コクられたことぐらいあるだろ？」

「ないよ、男の人苦手だし、此処に来るまで友だちも少なかったから」

意外だったのか「まじか」と驚いて目を見開いていた

「そんなに意外？」

「意外！お前、可愛いし、１人2人くらいいそう」

「それは心外だわ」

「わりぃ、でもさ、棘？先輩？がどんな人か知らないけど、話を聞いてる限り彼氏にしたい好きじゃねぇの？」

彼氏にしたい好き？

「それってどういう」

「ま、ゆっくり考えればいいべ」

ぐしゃりと撫でられたが先輩や恵くんと違って、とても力強かった

「ありがとう、なんかすっきりした」

「続きからだけど見る？」

「ん、見る」

悠仁くんの横に座り、何とも言えないB級のサスペンス映画を見始めた

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「これつまんないわ」