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相変わらずドキドキして、顔も熱い
恥ずかしいのを隠すようにネックウォーマーを目元ギリギリまで引き上げれば、「ツナ、明太子?」と棘先輩が話しかけてきた

「あ、これ?お揃いってことですか?」

身振りで伝えてくれる先輩に聞き返すと、当たってたようで目を輝かせていた

「五条先生が勝手に制服をカスタマイズしたんです。お揃い、嫌ですよね?」

遠慮がちに聞くと、ブンブンと大きく首を横に振り、「おかか、ツナマヨ!!!」と声をあげる先輩に申し訳ない

「そうですよね。嫌ですよね?高専に戻ったら、五条先生にお願いして」

「お、か、か!!」

今度はスマホを顔の前に押し付けられ、画面を覗くと「嫌じゃないよ!似合ってる!!」と表示されていて、またポッと赤くなるのを隠すように首もとあげると「たかなぁ〜」と先輩が頭をくしゃりと撫で上げた

「からかわないでください」

「いくら、明太子!」

私の肩をとんとんと叩き、“ごめん、これでゆるして”と店先を指差ししていた

「ここって」

たしか、1度だけ来たことがあった
小さい頃におばあちゃんが「ちょっとだけ、会いに行きましょう?」と誰かに会いに初めて東京で食べた場所
ただ、誰に会ったかなんて小さかったからか記憶が曖昧だ

横にいる先輩は意味ありげに微笑んで、私の手を引いてお店の扉に手をかけた

ベルがカランカランと優しい音色を立てて、私たちを迎え入れると店員さんが「何名様ですか?」とこちらを見ていた

棘先輩が2人とハンドサインをすると奥の窓側の席に案内される
座るなり、メニューを手渡され、色とりどりのクリームソーダに思わず、見とれてしまえば「ツナ?」と先輩が覗きこんでいた

「こんぶ?」

「ちょっと決まらなくて」

「ツナマヨ?」

「つなまよ?」

繰り返してしまえば、先輩はふふっと笑って近くにあったペーパーナプキンに“どれで迷ってる?”と筆談で知らせてくれる

「普通のみどりも気になるし、青色も綺麗なんだろうなって……先輩は決まりました?」

「しゃけ!ツナツナ」

“1つずつ頼んで半分こする?”

「えっ?先輩?合わせてます?」

“そんなことない、俺も飲んでみたい”

「本当ですか?」

「しゃけ!しゃけ!」

うん、うん、頷く先輩に結局甘えて、私の気になっていた2つを頼むことにした
ーーーーーーー
また半端……

▽→←9話



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作者名:ゆきはな | 作成日時:2021年4月27日 22時

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