76 追憶/ 絶望 ページ26
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それは、言わば『絶望』だった。
Aは目の前で繰り広げられていることを信じたくなくて、見たくなくて。夏目と渉くんが隣にいるのにまるで誰もそばにいないかのように体がひんやり冷えていく。
必死に歌を歌う3人の不協和音が余計Aの心をぐちゃぐちゃ掻き乱した。
( やめてよ…やめてよ…… )
周りのみんなが下手くそだと嘲笑する。今まで口パクだったのかと野次を飛ばす。
どうしてこうなったの? なんで? いったい何が起きたの?
__ “Valkyrie”はステージに立った瞬間から、呑まれていた。
この前とは違う雰囲気があるとAでも感じ取れた。
客席にいる生徒達がつまらなそうに観ていて。
格段に良くなっているパフォーマンスを披露する3人も、そんな観客達に戸惑った様子を見せていた。
「…どうなってるの」
「…、ドリフェス制度の特徴は2つのユニットのファンが観ていること。宗にいさん達に興味を持ってない人もいるんダ」
「でもっ…こんなすごいライブにあんな態度で見るなんて…！」
Aが立ち上がろうとした時、音が突然消えた。
いや、なずなとみかの声、音楽が消えたと言うのが正しいだろう。宗くんの声だけが響いていたのだから。
ざわ、と客席が騒がしくなる。
「…♪〜、〜」
「みか…」
なずなと宗くんも歌い出す。
だけど先程の完璧なユニゾンではなく、バラバラに聞こえてくる歌声。
( …何で? )
__ 「夢ノ咲の頂点は“Valkyrie”じゃない」
__ 「じゃあその時分かるんじゃないかな。どちらが優れているのか。いかに自分が、無知なのか」
「……まさか」
卑劣な言葉が飛び交う客席で、バッと立ち上がる。
夏目の呼ぶ声を無視して目指すのは講堂のステージ横だ。
ああ、いる。白い衣装を着た、悪魔が。
「あれ、右京さ──」
「卑怯者っ！」
「痛っ……君、」
「卑怯者卑怯者!! 宗くんはこの日のために準備をして来たのに！完璧なステージを作り上げたのに！どうして…どうしてそんな卑怯なことができるの…!?」
許せない。
音を消したのは、絶対この人だ。この人がやったんだ。
宗くんのマイク以外全部消したんだ。
勝てないからってずるい真似を使って。
天祥院先輩、天祥院英智。
許せない。許さない。
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かげやま(プロフ) - mmkさん» コメントありがとうございます☺️ かっこよくてカリスマがある俺零を書けてるか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです〜😿！mmk様もお体にお気をつけてお過ごしください！更新頑張ります✊ (2022年8月15日 11時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - すごく面白いです…！！俺零様がとても好きです…！！これからも体調崩さない程度に頑張ってください！更新楽しみにしてます! (2022年8月15日 11時) (レス) @page43 id: 27732d5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年7月13日 14時
