29 追憶/ 部活紹介 ページ29
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影に気づくまで少しかかって、ハッとして夏目は上を見上げた。
そこには図体のデカい男が立っている。
「なっ…」
「あれ? シュンスケくん」
「…知り合い?」
「……」
シュンスケくんは随分と怖い顔をして立っていたが、Aに名前を呼ばれた途端顔を赤く染めあげた。
それを見て、夏目はこのシュンスケくんが誰なのか分かった。
( 明星くんがああ言っててモ、仕方なイ )
直前までのあの顔は夏目にしか向けられていない。きっと睨まれていたんだろう。どうやら当たりのようで「さっき話してたファンの人」とAが耳元で囁いてきた。その行動が彼を刺激しているのだからやめてほしい。
「…あ、あの、Aちゃん…その、きょ、」
「うん」
「きょ、距離が近いのは…どうかとお、思うな」
「距離…? 何の話?」
「…」
なんていうことだ、指摘するタイプのファンだった。
そしてAが何も気づいていないのがもっと酷い。
「む、むむ無闇にくっついたりするのは、」
「? んー、よく分かんないけど、夏目は友達だからくっついたりしてもいいと思うな！」
「そういうことじゃなイ…」
「え?」
「でもっ…」
「あ、シュンスケくん、明日ライブやるんだ！来てくれるよね！」
「え、う、うん…」
( 制服はアイドル科だシ、ただAに惚れちゃったバカなのカ…。ネクタイは緑。3年生? )
今の3年生は実力も持たない知名度なしが多いから視野にも入れてなかった。明星くんや氷鷹北斗くんは知名度はずば抜けているから声をかけたりしたけど。
とりあえずこの状況を何とかしないと。
「あー…先輩? ボクたち部活に顔出さないといけないかラ、もう行かないト。距離についてはボクからAに言うヨ」
「…」
「そういうことだから、シュンスケくんまたね！」
「う、うん」
明らかな態度の差に、さすがの夏目も苛つく。
そして何も反省していないであろうAが夏目の腕に絡みついて歩き始めたので、後ろからの圧に苦笑いせざるを得なかった。
角を曲がれば、さすがに圧も消えて心を撫で下ろす。
夏目はAに呆れた表情でこう言った。
「…あえてそのまま聞くけド、あの人の事大袈裟に擁護してるよネ?」
「ようご、って何?」
「…本当は自分でも変な人だって思ってるんじゃないノ?
だからわざと話逸らしたりしてタ。本人が気づいてるかは知らないけどボクは気づくヨ」
そう、Aはきっと何かを企んでいる。
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
