244 専用衣装/ 秘密 ページ44
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何分、十何分経っただろうか。
Aはソファの上で体育座りをして顔を埋めていたから時計は確認できなかった。
次に顔を上げたのは、零先輩が頭を撫でてくれた時。
「…れいせんぱい」
「辛かったのう……こんな事があって。今まで何も出来なかった自分が、情けない」
「言わなかったんだから、そんなこと思わなくていいんだよ。
…私ずっとママしかいなかった。パパは私のこと嫌いで、ママだけだったの。でもママは違った。…ママは、パパがいなきゃダメだったんだって」
「…」
「なんか、それ読んだら全部どうでもよくなってね、あはは…。何のためにアイドルやってたの? とか、今までの辛いこと全部何だったの? …とか。
そしたらヨイチさんと知り合って、…汚いことしちゃった。好きでもない男の人と付き合ったり。全部全部、どうでもよかった」
Aにとってパパという存在は悪魔や怪物そのものだったというのに、ママはそんな人をとった。Aを愛せない、その言葉を見て手紙を破いてしまいたくて、できなくて。
それ以降の文と『右京Aへ』と書かれた手紙は未だに読めていない。
「1人なんだって思ってたよ。さっきも言ったけど。
…やっぱり私アイドルは辞める。続ける理由がないの」
「…AはESでも特別な存在で、女性アイドルの中でトップレベルの実力を持っている。それが、孤独にさせてしまっていたのじゃろう」
「全部ゴリ押しで成り立ってたんだよ。私の実力じゃない」
「まさか。いつの日か、我輩に言ったのを忘れてしまったのかえ?」
「…え?」
「我輩達と一緒にいたいから頑張った、と。まあその後に述べたのは我輩達への不満だったが」
「…あんなの、零先輩へのあてつけじゃん。今思ったらやって当たり前のことだったし……」
「ほおら、良くないぞい、悪い方向へ考えるのは。
…おぬしは、我輩達5人の大切な友人なのだから」
5人の友人。
( …不思議だなぁ、つい昨日まで…数時間前まではそんなこと言われてたら悲しくなったけど )
零先輩が言うことだからと信じたくなる。
そしてそれとは別に、零先輩への恋心が傷む。
まだ妹として見られてないだけマシだろうと割り切った。
そろそろ、この恋を終わらせないといけないのだ。
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
