243 専用衣装/ 秘密 ページ43
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星奏館の入口で4人が手を振るのを最後に、Aは家へと向かった。隣には零先輩。
近いから大丈夫だと言ったのに、零先輩は聞かずに隣に立って「送る」と言うのだった。
「しばらくは家まで送ってもらうように」
「うん」
「家には誰か来たりするのかえ?」
「お手伝いさんが週2で来る」
「…親御さんは、まだ見つかってないんじゃな」
「っ…」
いきなり足を止めたAに、零先輩もつられて止めて振り返った。「A?」と顔を覗かれて、思わず腕を握る。
「ママは……」
「…?」
「…零先輩、話したいことある。家来て」
「それは」
「お願い。…家じゃないと、話せない」
もし記事に撮られてもちゃんと説明するから。
零先輩は少し経ってから分かったと頷いて、マンションへ一緒に向かってくれた。
それまでの道で話し始めても良かった。だけど手紙を見てもらった方が伝わると思ったから。
人を呼ぶには物がなさすぎるけれど、好きな人を呼ぶために掃除をする必要もなくて助かった。綺麗な部屋に零先輩を招き入れる。
「…、随分静かな部屋じゃな」
「うん。物欲もないから必要最低限しかない。
零先輩、何か飲む? 一応緑茶とコーヒー、あとは…りんごジュースある」
「コーヒーで頼む」
「分かった。でもどうやって入れるか分かんない」
「…我輩自分でやるぞい」
「そう?」とキッチンに零先輩を残して、Aは寝室のクローゼットへ。
『いらない』箱の隣に、もう1つ何も書いていないダンボールを見つめる。
軽く開けて、1番上に乗せてある手紙2通を取りだした。
『見つけてくれた人へ』と『右京Aへ』と書いてある。
「A、テーブルでいいのかや」
「あ、いいよ。今行く」
あの日以来一度も読んでいない。
零先輩なら話してもいいと思えたのは何となく。
先にソファに座っている零先輩の隣に座って、深呼吸をする。
「…私がアイドルを目指したのは、ママを探すため。有名になればママが見つけてくれると思ったし、それとは別に探してもらうための費用を手っ取り早く貯めれると思ったから」
「うん」
「それで、…っ去年のクリスマスに、捜索結果が…出たの…」
「クリスマス? …」
「ママ、もう死んじゃってた…」
「……」
去年のクリスマス。── スタフェスの日。
倒れて目を覚ました後に施設長から渡されたのはひとつのダンボール。
遺書と遺品だった。
「これにママの全てが書いてあった」と手紙を渡した。
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
