228 専用衣装/ 友達以上〇〇未満 ページ28
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「宗くんの所まで行くのにどれくらいかかると思うー?」
「…」
「ねーえー」
「…何をやってるんだね、あの馬鹿は」
「グリコだヨ。1人でもできる方法があるってボク達に見せたいんだっテ」
「ハァ…救いようのないあの馬鹿を早くここに連れて来るのだよ」
( …どうして今、思い出すんだろう)
__ 状況が似ているから?
夏目が衣装ルームのドアに触れた時、ガチャと開いた。
どうやら反対側から開くドアのようで夏目はAの方へと倒れ込みそうになる。それをAは驚きながらも支えた。
「先程から外が騒がしくて作業に集中できないのだよ。一体誰が何をして── 小僧、君か！」
「し、宗にいさん…」
「まったく。何をそんなに騒いで…、…? 痴話喧嘩かね」
「エ? アッ、ち、違うよ宗にいさん！Aダ！」
「A…?」
痴話喧嘩がどういう意味かは知らないけれど夏目が必死に弁解しようと退いたせいで、宗くんとしっかり対面することに。
( !? な、夏目!? そんな急に…！)
「…驚いた。髪を染めたのか」
「…宗くん、」
2年ぶりに見た宗くんは少し大人びたような。
そんな気がした。
宗くんを目の前にして固まったAを何とか引っ張って、3人は衣装ルームに入った。
そこには作業中であろう宗くんの布や糸などの材料の横に、マネキンと作り途中の衣装が。
夢ノ咲の手芸部部室みたいだ。あそこよりも綺麗になった場所で宗くんは作業をしていたんだ。
「…小娘から話は聞いたよ。そこまで否定的になるとは想像していなかったから、少し驚いたけれど」
「ご…めんなさい」
「いいや…君の事を考えれば、そう怯えるのも無理はないだろうね。しかし今一度言わせてほしい。__ 僕に、君の専用衣装を作らせて欲しい」
「…っ」
すぐに思ったのは、どうして? という疑問だった。
どうしてそんなに作りたいと思うのだろうか。
トラウマを作らせてしまったことに対しての罪償いのつもり?
( 私はそんなの1ミリも望んでない…)
「…宗くんは、すごい人で……多分私がこの先どれだけ時間を費やしても手に入れられない物を、持っている。そして…それを大切に磨いて磨いて、壊れないようにしてる人」
「…」
「そんな人が作った衣装を私なんかが着れるわけない…！」
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
