157 イベント/ 雲行き怪しい ページ7
.
「それ、もうここにいない先輩にもらったって。ね、言ってたよね」
「うん。新しく買うの面倒だなーって言ったらくれたよ」
「やっぱり…。やけに大きいから不思議に思ってたんだよね。ダメだよ〜一体どこの誰から……あ、」
「…」
薫くんがAとあんずの後ろを見て苦笑いをする。
( まあいいや、とりあえず濡れて気持ち悪いから更衣室に行きたい)
あんずにジャージの予備がないか聞こうと口を開くと、ガシッと腕を掴まれてぎょっとした。
「び、びっくりした…。何、零先輩」
「…誰のジャージ」
「え…と、ひ、日和先輩…だけど。てか近い、」
20cm以上差があるはずなのに零先輩がAに顔を近づけるから、今にでも心臓が爆発しそうだ。
( ちょっとまって本当に近い、むり、顔見れない )
バクバクと暴走するこの音が届いていませんように。
「…」
「零先輩…? どうしたの、近いよ…」
「…我輩の、やつ、あげるから、それ、捨てておくれ」
「勝手に捨てれるわけないじゃん。そもそも返しに行くつもりだった…し、ねえ近いよ、顔が近い、離れて」
「返しに行かない、今すぐ我輩の着るん」
「わ、分かったから！近いったら近い！」
ドンッと押し返して薫くんの後ろに隠れる。ダメだ、顔が熱い。今まであんな距離なんて気にしてなかったのに。かっこよくて、だめ、見てられない。
湯気が出るんじゃないかというくらい真っ赤にしたA、反対にAに押されてショックを受けている零先輩。
薫くんがため息をついて、「何この茶番…」と肩を上げた。
「…ほら、A…ジャージを……恐らくロッカーにあるから取りに行くぞい」
「!? えっ、え、あ、…こ、こ〜がくん！一緒に行くよね！」
「は? 行かね〜けど」
「行く！よね!?」
「お、おう…なんだよいったい。やっぱり濡らしたこと怒ってんのか…?」
「……」
「朔間さん…」
これはAに何かあったな、と薫くんは察知し、何も気づいていないあんずとアドニスは気をつけてね〜と笑顔で見送った。
.
158 イベント/ 事務所STOP→←156 イベント/ 雲行き怪しい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 598人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かげやま(プロフ) - 瑠衣さん» コメントありがとうございます。遅くなってしまってすみません…（ ; ; ）引き続き楽しんでもらえるように更新頑張ります🥹🫶 (2022年10月24日 11時) (
レス) @page21 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きがすごく楽しみです、、！ (2022年10月23日 20時) (レス) @page21 id: 04c1c43a5d (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - めぐるさん» コメントありがとうございます。このあと先もドキドキを届けられるように更新頑張ります✊読んでくださると嬉しいです〜🫶 (2022年9月30日 10時) (レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
めぐる(プロフ) - 更新のたびにどきどきしてます！がんばってください！ (2022年9月30日 10時) (レス) @page7 id: 3d1c15bfdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かげやま
| 作成日時：2022年9月29日 6時
