178 ルックバック/ 思い出 ページ28
.
Aが話せなくなって夢ノ咲に通いつめてから呆気なく時間だけが過ぎ去り、気づけば3週間ほど経過していた。
世はもうすっかりハロウィン仕様だ。
それに伴って夢ノ咲でも【S1】ドリフェスであるハロウィンパーティを開催されることになった。
あんずが企画運営をするということでいろいろと聞くが、どうやら七夕祭以上の大掛かりな催しになるらしい。
Aはというと、相変わらず声が出せないことで事務所に焦りを与えていた。
どうしてこんなに出ないのか。これ以上仕事に支障が出てしまうのはいけない。と、1週間ほど前にダンスレッスンだけは再開することになった。雑誌なども紙経由のインタビューに変更して少しずつ受けるようになった。
挙句の果てには社長の口からからため息を聞いてしまい、
( あぁ、捨てられる ) そんな危機ばかり感じて、焦る毎日。
ママの捜索を依頼した探偵の件も頭から離れているほどに必死に過ごしていた。
「Aちん?」
「…?」
「あ、こっちは同じ“Ra*bits”の紫之創と“流星隊”の南雲鉄虎だ。1年生だよ」
放課後、ハロウィンパーティの話をしたいというあんずに付き添って、職員室の外で待っていたAに話しかけてきたのはなずなと1年生の2人だった。ひとりは可愛らしい見た目でもうひとりは硬派な顔立ちをしている。
そして、Aに話しかけるなずなに慌てていた。
「ちょ、ちょっといいんスか。…俺たち、この人に話しかけないように言われてるのに」
「ん? ああ。そういえばそうだったっけ…」
「忘れてたんスか…。ううん、でも今の発言はよくないッスね。話しかけちゃダメな人なんて、いるわけないッスから。押忍！改めて、俺は南雲鉄虎ッス！よろしくお願いするッスよ、右京先輩！」
「うん♪ AちんはAちんだ。話しかけたい時に話しかけるよ」
「…」
「? …あはは、『暑苦しい』ってさ、鉄虎ちん」
「えぇっ!?」
Aはため息をつきながらも、少し安心した。
話しかけないようにと逃げるように避けられたこともあったし、人から意識的にそうやられるのはストレスだったから。
なずなは今から職員室にレッスン室の鍵を受け取りに行くのだと説明をしてくれた。どうやら、ハロウィンパーティーに向けて泊まり込みで準備をするらしい。
( 今あんずが先生のとこに行ってるのもそのせい? )
.
179 ルックバック/ 思い出→←177 ルックバック/ そんな人
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 598人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かげやま(プロフ) - 瑠衣さん» コメントありがとうございます。遅くなってしまってすみません…（ ; ; ）引き続き楽しんでもらえるように更新頑張ります🥹🫶 (2022年10月24日 11時) (
レス) @page21 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きがすごく楽しみです、、！ (2022年10月23日 20時) (レス) @page21 id: 04c1c43a5d (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - めぐるさん» コメントありがとうございます。このあと先もドキドキを届けられるように更新頑張ります✊読んでくださると嬉しいです〜🫶 (2022年9月30日 10時) (レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
めぐる(プロフ) - 更新のたびにどきどきしてます！がんばってください！ (2022年9月30日 10時) (レス) @page7 id: 3d1c15bfdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かげやま
| 作成日時：2022年9月29日 6時
