125 昔話 ページ25
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同い年のみんなが受験に追われている中、親の紹介で芸能学校に入学することになっている俺は、ぶらぶらと街をふらつく毎日が続いていた。
もうこの歳になれば天使だの奇跡の子だの呼ばれなくなり、そこそこ売れなくなってきていた。
雑誌の話がいくつか来るだけ。
それもいつ終わるか分からない。
結局、芸能界は顔だけではやっていけないということだ。
兄は俺とは違い、演技が上手くなっていっていることで人気が右上がりしていった。
これで少しは嫉妬からの嫌がらせも減るかな…と思っていた時、ライブハウスのようなものに目が引かれた。
薄汚いところだった。
普段は絶対目に入らない、興味も湧かない場所なのにその日だけは異様に輝いて見えた。
俺はゆっくりとそのライブハウスに足を踏み入れた。
「── テメェら全員暴れさせてやるよ」
…黒くて、赤い。
低い声が胸の中に響いてきたのだ。
ウォオオオ！と叫ぶ男たち集団の前に立っている、黒い髪を持つ男。その赤い瞳には先程のように惹かれる何かがあった。
途端、ギターと一緒にその人の歌声がライブハウス中に響き、ますます観客たちは熱を上げていく。
何だ、これ。
ロックバンド…ってやつかな。でもひとりだし…。
視界に入った、壁に貼ってあるチラシのようなもの。
そこには、ステージに立っている黒髪の男の写真が載っている。
「“夢ノ咲のアイドル・朔間零”…」
アイドル…?
俺の中のアイドルは、女子にキャーキャー言われている印象しかない。
それなのに朔間零という男は群がる男をひたすらに盛り上げて熱を感じている。
「♪〜〜〜」
…どう、してだろう。
こんなに、惹かれてしまうのは。
よく分からない歌詞が響いているわけじゃなかった。
歌やパフォーマンスに刺激を受けたわけじゃない。
朔間零から放たれるキラキラしたものに、目が奪われた。
キラキラ、輝くアイドル。
生き生きとして、むさ苦しくて。
なんて、綺麗なんだろうと思った。
「夢ノ咲、」
俺もあんな風に、輝いて…みたいな。
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suzuna(プロフ) - 凄く面白く、一気読みしてしまいました…‼︎更新楽しみにして気長に待っております(*´꒳`*) (1月18日 8時) (
レス) @page35 id: 63b5e8db0f (このIDを非表示/違反報告)
Lim - 凄く面白いです！更新頑張ってください!! (2022年3月20日 21時) (レス) @page32 id: 69ed93d6c8 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - やまはさん» コメントありがとうございます。返信遅くなってしまい申し訳ありません…！😭 更新致しました！これからも気まぐれになりますがしていくので良かったらご覧になってくださると嬉しいです！ (2021年12月12日 22時) (レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - あひる様さん» コメントありがとうございます。返信遅くなってしまい申し訳ありません…！😭 意識して厳しくしていたのでそう言っていただけてとても嬉しいです！これからも更新頑張ります。 (2021年12月12日 22時) (レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
やまは(プロフ) - すごく面白くて一日で�靴泙覇匹鵑任靴泙い泙靴拭�！これから更新の予定はありますか？続き待ってます…！ (2021年10月19日 17時) (レス) @page27 id: d3221d33a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2020年5月29日 0時
