105 第1部/ 新・夢ノ咲? ページ5
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話してくれてありがとう、とお礼を言ってなずなと別れる。
普通に授業が始まってしまっているし、どうしたものかな。
途中で入るわけにもいかないなあとぼうっと歩きながら、足は自然とある場所に向かっていた。
「…何で来たの、バカ」
秘密の部屋の前に立ってから来たことを後悔した。
きっとまた傷つくのに。
どうしてここに来るんだろう。
「……っ」
あと10秒数えてドアが開かなかったら戻ろう。
そして大人しく授業を受けてその後仕事をしよう。
10…9…8…7…6…5……4……3
「……2………1」
( 出てくるわけ、ない )
「…」
そもそもあっちからこのドアを開けることなんてなかった。
いつもAが開けて会っていた。
少し躊躇いながらも、一歩ずつ後ろに下がってドアから視線を逸らす。
そして振り返って、足が急ブレーキをかけた。
「…な、な、つめ」
「…」
「っ…くりしたぁ。…いたなら声かけてよ」
「ビックリしたのはボクの方ダ。学院に来てるなんテ」
「…学院側から2年生はできるだけ来るように言われたの」
「…フーン」
まさか後ろにいる上、急に現れるものだから話すことがなくなって沈黙が始まる。正確に言えば話すことが分からなくなって、だが。
そんな空気感に耐えられなくなってか、夏目が「おいデ」と言った。
「Aニ、話したいことがあるかラ」
「う、うん…」
そんなに改まって話す事ってなんだろう。
いつもの定位置に座って夏目が話し始めるのを待つ。
すると夏目は目を伏せて話し始めた。
「…今の夢ノ咲の現状は知ってル?」
「ううん…」
「夢ノ咲は生徒会の圧力で制御されてル。もう好き勝手できないようニ、厳重な取り締まりの元でネ。そのせいでAのようなソロ活動はしにくくなったシ、生徒会の側に立てば安泰だとかいう考えを持つ人が増えタ」
「…」
「…結局、繰り返ス。今ではやる気のある人を逆に潰してしまうようニ…。
Aはもう転校生の話は聞いタ?」
「…今日だけで2回も聞いた」
「そウ。その子を使っテ、今度はこっちが革命を起こすっテ。零にいさんガ…」
「──…は?」
「…」
正直夢ノ咲の現状なんてどうでもいい。
こうやって話されてるのも何でだろうかと思っていたくらいだし、いったいそれがAに関係あるのだろうと。
( でも、それは、)
「…零先輩って、どこにいるの」
「……軽音部の部室」
気づいたら、足が動いていた。
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かげやま(プロフ) - LIさん» コメントありがとうございます！ただただ私が書きたいことを書いているので、そう言ってくださる方がいることに喜びを隠しきれないです(;_;)お待たせしてしまうこともあるかもしれませんがこれからも楽しんでもらえるように頑張ります！本当にありがとうございます。 (2022年9月26日 6時) (
レス) @page44 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
LI(プロフ) - 今日の更新ありがとうございます！本当にこの物語大好きです。毎回泣きそうになりながら読んでいます！このお話の内容が本当に大好きです。これからも作者様のペースで更新頑張ってください。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2022年9月25日 20時) (レス) @page42 id: 8345af9beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年8月21日 1時
