【募集企画】東方幻想記録物語8巻 (ページ9)

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蝶々と観戦者　ファラーシャ・スカーレットページ9

驚愕している赤いリボンの少女(ルーミア)もかわいらしい鎌使い(皇被華)も、その事実を伝えた美人な双子の神様(藤華と雪華)も誰もその背後に小さな紅色の蝶々がいたことに気づいていない

「ふふ、楽しそうね」
紅茶を飲みつつ、目を閉じその紅色の蝶々と視覚を共有しているらしい吸血鬼の少女は、彼女のメイドである、白髪の少女にそう言った。
「左様でございますか、お嬢様」
「あら、ごめんなさい。私の言いたいこと、伝わらなかったわよね」
「いえ、お気になさらず」
「ふふ、ありがとう」
吸血鬼の少女が礼をいい、ふわっと微笑みかければ、白髪の少女も、にこっと微笑み返した。
それで満足したのか吸血鬼の少女は蝶と視覚を共有することをやめたらしく、血のように真紅の目をぱっちりと開いた。

「さて、もっと近くで見てみるとしてみようかしら」

そういうと、白い液体(対日光用クリーム)を、全身にぬったくり始めた。

それを終えると、黒薔薇をモチーフにしたらしいドレスを着て、紫色のハイヒールを履き、コツコツと音をたてて、部屋にある扉を開け、階段を登って行った。
階段を一段一段踏むにつれて吸血鬼の少女の口角は上がっていった。
そして、とある扉の前で立ち止まり、コンコンとノックをした。

すると「はーい」と可愛らしい声がして、扉が開き、金髪の少女が出てきた

「美夜、ファラーシャ、どうしたの？」
「フランちゃん、私達とちょっと冒険に出かけないかしら」
「行く行く！！」
「じゃあ、いつも外に行くときのかっこうをしてくれないかしら」
「うん、待ってて！！」

扉は再び閉められたが、ものの数秒ですっかり身支度を整えた金髪の少女は「早くいこうよぉ」と繰り返している

「ふふ、フランちゃんの言うとおりね、空夜に見つからないうちにさっさと行きましょう」

「かしこまりました」
三人は近くにある大きな大きな窓まで歩いていき、カーテンを開けた。
「ファラーシャ、美夜！早く行きましょ！！」
グイグイとスカートのすそを引っ張る金髪の少女の顔はもう我慢が出来なさそうだ

カタン...と軽い音がして窓が開き、吸血鬼の少女は金髪の少女と白い髪のメイドとともに飛び立った

「さぁて、今日は存分に楽しみましょうか」

翌日、レミリアがファラーシャも美夜もフランも居ないことを知り倒れてしまったので全力で三人を捜索したのはまたべつのおはなし

お借りしたキャラ(お名前だけ)
藤華
雪華
十六夜空夜
皇被華