【募集企画】東方幻想記録物語8巻 (ページ21)

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過去編1　被華ページ21

私が外の世界出身だって事は、前にも話したよね。とある村に住んでたんだけど。
私は昔から、人はどうして死ぬのかとか、人の一番多い死因は何なのかとか…「死」に興味があった。そんなもんだから、周りから避けられて、友達一人出来なかった。親にも見捨てられた。でも、一人だけ…私に寄り添ってくれた子がいて。奈々って言うんだけど。

『おーい被華！あっそぼー！』
『あ－？私は100年前と今の死因のチェックをしてるんだから、また今度にしてよ』
『じゃあチェックをしながら遊ぼ！』
『あんたバカなの？』

いつだって私の手を引いて、どこかに連れて行った。でも、嫌だと思ったことは一度も無くて…奈々は、私の生きる希望だった。それなのに。
私たちは、恐ろしい事実を知ってしまった。私たちの村では、月に一回、生贄の儀式ってのがあって…少女を一人、生贄にする(火炙りにする)んだ。
そして、それにー

奈々が選ばれた。
私は、めちゃくちゃショックを受けた。それで奈々をつれて逃げたり出来たら、私は奈々の本当の友達になれたのかも知れない。
でも、私にそんな勇気は無くて。
結局、奈々は死んだ。
とてつもない劣等感と悲しみと罪悪感が体を覆って。
死のうとした、その時だった。

『そうやって、逃げるのか？』
『…え？』

私の目の前に、得体の知れないやつが現れた。

『おまえに頼みがある。それをしてくれれば…お前の友に会わせてやろう』

絶望にまみれた私の世界に、光が差した気がした。そいつは私に鎌を渡し、人を殺せと言ってきた。
奈々を殺した大人達を殺すなど、私にとって嫌なわけもなく、私は毎日100人以上の大人を殺した。
そして、1ヶ月後のこと…

『準備は整った。お前の望みを叶えてやる』

待ち望んだ一言だった。

『お願いします！』
『では…いくぞ』

そして、そいつは呪いらしき物を発動した。

…私に。