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第二十二話 ページ38

Aside

太宰さんがうずまきから出た後、谷崎さんの携帯電話に依頼が来て処変わって探偵社の応接間。

入社してから初の依頼は、この小柄でスーツを着た女性から、か。



谷「...あの、えーと調査のご依頼だとか。それで...」


少し気不味い沈黙の後、そう切り出した谷崎さん。
...と言うか、この人数で依頼人を見詰めてても良いのだろうか。他の仕事は大丈夫なのか...?


そんな事を思って居ると急に太宰さんが「美しい...」何て呟きながら依頼人の女性の目の前で片膝を着き手を取った。そして、


太「睡蓮の花の如き果敢なくそして可憐なお嬢さんだ。どうか私と心中して頂けないだろうか?」


と言った。
此の人、出会った女性皆に心中の御誘いをする心算なのだろうか。
だとしたら結構迷惑な気が...依頼人さんも「へっ!?」と言う声を上げて吃驚して居るし。

すると国木田さんが太宰さんの頭をスパァンッッと良い音を鳴らして叩き扉の向こうへと引き摺り連れて行った。

連れていかれた当の本人は「心中〜一寸だけで良いから〜」何て言いながら引き摺られて行った。



...心中に一寸も何も無いのでは...?
有るとすれば、自 殺未遂的な感じで心中未遂なのか...?

と言うか依頼人さん、普通に話を再開したけれど変人慣れしてるのか...?


僕がそんな如何でも良い様な事を考えて居る間にも話は進んで行き、



依頼人「ええ、無法の輩だと云う証拠さえ有れば軍警に掛け合えます。ですから、」

国「現場を張って証拠を掴め、か...。小僧、小娘、御前等が行け。」

敦「へっ!?」

『初の仕事、と言う訳ですね。』

国「嗚呼。只見張るだけだ。其れに、密輸業者は無法者だが大抵は逃げ足だけが取り柄の無害な連中──初仕事には丁度良い。」



確かに、只無害な密輸業者を見張るだけ(・・・・・・・・・・・・・・)の仕事なら、初仕事には適している。

だがしかし、この依頼人さん怪し過ぎる。
何故って、太宰さんも仕掛け(盗聴器)を仕込んでいたし。薄らと火薬の臭いもしている。只の会社勤めの人には見えない。


まァでも。取り敢えず初仕事なのだし、此処は一つ、



『頑張ってみようよ、敦。国木田さんが言う様に簡単(・・)な仕事ぽいしさァ。』






と、そんなこんなで僕と敦の初仕事が始まったのである。






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中さ - 更新頑張ってください (2021年7月5日 13時) (レス) id: 0fd42ba9ca (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 麗さん» 楽しみにして下さり有難うございます!そろそろ更新致しますので、宜しくお願いしますっ! (2021年5月29日 22時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月29日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - サトさん» コメント、ありがとうございます!その言葉が励みになります!更新頻度を上げられるよう頑張ります。 (2020年10月16日 18時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
サト - とても、面白かったです。続きが気になります。楽しみにしています。 (2020年10月16日 7時) (レス) id: e677a0c284 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:錆猫 | 作成日時:2020年8月16日 0時

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