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Aside
爆発まで後残り____五秒。
探偵社内は一気にざわつき、皆の顔に焦りが見られる。
其れは僕も例外では無い。
其の時。敦が何かを考え付いたのか、周りを見回す。
そして、太宰さんの方へ人質だった女の人を飛ばし___自らが爆弾へ覆いかぶさった。
僕は其の行動を見て呆気に取られ、『は...?』と声を漏らしつつ呆然とする。
太宰さんも敦を見て焦った「莫迦!」と叫んでいる。
爆発まで後__二秒。
此処で僕は正気に戻った。
此の時、此れが試験だと云う事は、僕の頭の中から消え去っていた。
僕は瞬間的に異能力を発動させ、敦を力ずくで引き剥がし、パーカーを脱いで爆弾を包み、爆弾魔が座っていた机の下へ投げ入れる。。
___爆発まで後一秒。
敦の首根っこの方を掴んで皆の方へ投げその勢いを利用して机を壁際まで蹴り飛ばす。
そして僕は黒猫になって飛ばした机とは別の机の下へ走り隠れる。
__爆発まで後零秒。
来る...。
そう身構えて、体に力を入れる...が、僕はそこで思い出した。
此れ、入社試験だった。
だから爆弾が爆発する訳が無い。近くに行った時爆弾独特の火薬の匂いもしなかったしねェ。
僕はホッとして机の下から出て、異能力を解除した。
敦は未だ目を硬く閉じている。
太宰さんや国木田さん、その他の人達も「ひと仕事終わった」と云う顔で僕らを見ていた。
其の様子を見て、フッと息を吐き、
『敦、大丈夫だよ。』
と言えば漸く目を開け、状況が理解出来ていないのか、困惑した表情をしている。
国「やれやれ....莫迦だとは思っていたが此れ程とは。」
太「自サツ愛好家の才能が有るね彼には。そうは思わないかい、谷崎君。」
谷「ご免ねー?大丈夫だった?」
そう、国木田さんは溜息を吐きながら、太宰さんはくすくすと笑う様にしながら、爆弾魔さん...谷崎さんは少し申し訳無さそうに此方、主に敦を見ながら言った。
敦「あ...?え...?」
と、其の時、人質役だった女の人が、
ナ「ああーん!お兄様ぁ!大丈夫でしたかぁぁ!?」
と、谷崎さんへ抱き着く。...物凄い勢いで。
谷崎さんは「痛だっ!?」とか「折れたァ!?」とか叫んでいる。
女の人__ナオミさんはどれだけ力が有るのだろうか。
僕は此の兄妹のやり取りを見つつ敦の方も見てみると、
敦「......へ?」
と、何が何だか分からない、と云う表情の儘であった。
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中さ - 更新頑張ってください (2021年7月5日 13時) (レス) id: 0fd42ba9ca (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 麗さん» 楽しみにして下さり有難うございます!そろそろ更新致しますので、宜しくお願いしますっ! (2021年5月29日 22時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月29日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - サトさん» コメント、ありがとうございます!その言葉が励みになります!更新頻度を上げられるよう頑張ります。 (2020年10月16日 18時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
サト - とても、面白かったです。続きが気になります。楽しみにしています。 (2020年10月16日 7時) (レス) id: e677a0c284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:錆猫 | 作成日時:2020年8月16日 0時