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Aside

敦「きっと奴ですよ!太宰さん!」

太「風で何か落ちたんだろう。」


そう言われても、中島さんは落ち着きを取り戻さずに、


敦「ひっ、人食い虎だ!僕を喰いに来たんだっ!」


と、中島さんは更にパニックになる。


太「座りたまえよ、敦君。 虎はあんな処からは来ない。」

敦「どっ...どうして判るんです!」

太「そもそも変なんだよ。敦君。」


そう言って、太宰さんは読書を辞め、自らの推理を始める。

僕は其れを聞きながら自分の考えと照らし合わせる。


太「経営が傾いたからって養護施設が児童を追放するかい? 大昔の農村じゃないんだ。いや、そもそも経営が傾いたなら一人二人追放したところでどうにもならない。半分くらい減らして他所の施設に移すのが筋だ。」

敦「太宰さん...?何を言って...」


その時、窓から月明かりが差し込み、中島さんの方を照らす。

中島さんはその月に見惚れるように月を見つめ続ける。

否、見つめ続けている様に停止してしまった、という方が正しいか。


太「其れに敦君が街に来たのが二週間前、虎が街に現れたのも二週間前...敦君が鶴見川にいたのが四日前、同じ場所で虎が目撃されたのも四日前....敦君が立ち寄った場所の先々で虎の目撃証言がある。国木田君が云っていただろう。"武装探偵社"は異能の力を持つ輩の寄り合いだと。巷間にはあまり知られていないがこの世には異能の者が少なからずいる。」




太宰さんがそこ迄話した時、中島さんの虹彩が段々と変化しは呻き出す。

其れから、中島さんの身体は音をたてながら白虎の姿へゆっくりと変化していく。




太「そして、其の力で成功する者も居れば、力を制御出来ずに身を滅ぼす者も居る...。多分、施設の人達は虎の正体を知っていたが君には教えなかったのだろう。......君だけが分かっていなかったのだよ。」




中島さんの体は今や大きな獣の(シルエット)となり、鋭い眼光を光らせている。





太「君も異能力を持つものだ...。現身に飢獣を下ろす月下の能力者...。」





現在、先程迄中島さんが居た場所には、現在、白い虎が立っていた。



嗚呼、矢張り人食い虎は中島さんだったのか。





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中さ - 更新頑張ってください (2021年7月5日 13時) (レス) id: 0fd42ba9ca (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 麗さん» 楽しみにして下さり有難うございます!そろそろ更新致しますので、宜しくお願いしますっ! (2021年5月29日 22時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月29日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - サトさん» コメント、ありがとうございます!その言葉が励みになります!更新頻度を上げられるよう頑張ります。 (2020年10月16日 18時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
サト - とても、面白かったです。続きが気になります。楽しみにしています。 (2020年10月16日 7時) (レス) id: e677a0c284 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:錆猫 | 作成日時:2020年8月16日 0時

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