【名探偵コナン】消えた元同期が銀座高級クラブのママになっていた理由！ (ページ6)

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傷だらけの猫ページ6

「景光？」

「Aちゃ…」

間違いなかった。
顔色が真っ青でかなり痩せてしまっている。

ここで関わるのはまずいと思ったけど。誰かにつけられている。

「こっち来て」

「えっ…ちょっと！」

気配の消し方が普通じゃない。
それに錆びた鉄の匂いに、微かに臭うのは火薬だ。

私のマンションがすぐ近くになる。
セキュリティーシステムも問題ないし、盗聴もできない。

「何所に！ここは」

「入るわよ。ここは限られた十人しか入れないから」

指紋承認をして顔承認をした後に鍵はカードになっている。
セキュリティーはかなり厳しく、警視庁サイバー課でもこのセキュリティーを抜けるのは困難だった。

なんせこのマンションに入れるのは銀座でも限られた人。
日本一の不動産王は作ったマンションなんだから。

「入って」

「え…おじゃまします」

おどおどしながら私は無理矢理入部屋に入れる。

「別に襲わないわよ」

「いや、そんな心配は…」

「ここは防弾ガラスも盗聴器も仕掛けられないから問題ないわ。貴方は死にそうな顔をしているわよ。潜入捜査にしくじったの？」

「え！」

本当に顔に出やすいわね。
心理学を使わなくても解りやすい。

「ほら飲みなさい…公安警察は飲まないわね」

「いただきます」

それでいいのか公安警察。
普通は他人から与えられた飲食料は口にしないんだけど。

「美味しい」

「そう…」

「Aちゃん」

落ち着いたと思えば泣きそうな顔をする。

「こっち来なさい」

「うっ…」

私の隣に座り涙を流す景光に私はため息をつく。

「公安は貴方には向いていない。国の為に国民を殺す仕事は優し過ぎる貴方にむいていないわ。警察機関は決して正義の味方じゃない…遠くに警察庁はね」

「だからいなくなったのか…」

「そうじゃないわ。私の都合…私が選んだの」

震えながら私の手を握る癖は変わらないか。

「俺は零の代用品だって解ってたんだ…解って…痛い」

「くだらない事を言うの止めてくれる殴るわよ」

「既に殴っているじゃないか！」

ナーバスになって後ろ向きになるのは悪い癖だわ。
まあ長所でもあり短所でもあるけど。

「上層部の馬鹿に踊らされんじゃないわよ。貴方はあの馬鹿のアキレス腱。あの馬鹿が一人じゃダメだから貴方がいるの」

「いやでも」

「私が言うからそうなのよ」

(出たAちゃん美学！)

失礼な事を言われたけど無視をしよう。