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ここで逃げるわけには行かないと思い私は足を踏み入れた。


「お客様、うちの若い子が失礼をいたしました」

「ママ!」

「あ?ママ…は?」

「Aちゃん?」


最初は不機嫌な表情をしていたけど、私を見て固まった二人。
特に煙草を咥えていた松田は口から落とす。


「Aとお申します」

「おい、何の冗談だ」

「そうだよ。何で君が…」

私に手を伸ばそうとするも。


「失礼ですが当店ではそのような店ではありませんのでお控えください」

「は?お前…」

「緑川、いいわ」

「これは銀座のルールですママ」

私を守るように景光は手を伸ばした。

「ママ…こいつ等は警察です。私達が水商売だからっていちゃもんつけて殺人者扱いをしたのよ!適当に犯人を仕立て上げる気なんです」

「それは本当ですか」

もし本当ならば私も対応しなくてはならない。

「昨日、渋谷で遺体が見つかった。懐に名刺が入ってた」

「それで、うちのホステスが怪しいと…ふふっ」

「何がおかしい」

「それだけ疑うなんてどうかしてますわ。このお店にどれだけのお客様が来ると…たまたま名刺を持っていた可能性だってありますし。それだけで疑いをかけて営業妨害をするのはどうかと」

「お前…」

「うちのホステスは人様に迷惑をかけるよう真似はしませんわ。ましてや殺人など…彼女達は一流のホステスです。私が保証します」

「ママ…」

綾乃が人を殺すことはありえない。
誰よりも仲間思いで優しいこの子が人を殺めるなんて。

「誤報逮捕すればその人の人生を狂わせます。そうなれば警察も犯罪者ですわ」

「Aちゃん!あんまりだろ!」

「事実、警察の不祥事で人生を狂わされた人は多くいますわ。緑川、お客様がお帰りよ」

「はい。失礼します」

「なっ…何しやがる景!」

「緑川です」

「Aちゃん!」

景光に二人を無理矢理つまみ出すように頼む。
サブローちゃんや鈴木にも頼んであの二人は締め出した。


「皆様、騒がせてしまって申し訳ありません。これよりサービスさせてくださいませ」

「「「おおお!」」」

お客様にお詫びをした後に私は居所がバレてしまったのだった。

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killerハリケーン(プロフ) - とても、面白いです。更新楽しみにしてます (2022年7月27日 12時) (レス) id: 720db65644 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ししゃも | 作成日時:2022年7月14日 14時

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