豪邸で ページ13
藤原様はしばらく滞在をするように言われた。
遠回しに三人に対しても警告していたのだったが、本気で外交問題を起こす事はない。
「まさか、あの…藤原家の邸宅にお邪魔するなんて」
「俺は我が国の大統領から恐れられ、イギリスの女王陛下と交流がある藤原泰三と彼女が知り合いだったのが驚きだ」
「いや、本当にどういう関係?」
「パトロン」
「Aちゃん!」
嘘は言ってない。
私が藤原様に出会ったのは18歳の頃だった。
「私がお水の仕事を始めた頃に偶然出会ったのよ」
「18歳…」
「私が初めてヘルプで入った時のお客様が藤原様だったわ。当時は未熟だった私に藤原様は優しくしてくださったの…私の先輩とも懇意だった事もあるけど」
私は既に天涯孤独の身だったから姐さんが母親代わりだった。
大学の留学にも背を押してくださったのが藤原ご夫妻だった。
「私に留学を進めてくださったのよ。そこで私はイギリスとアメリカで勉強をした」
死ぬ気で勉強をして飛び級をした。
その後に最年少でロースクールに入り弁護士になった。
「私はアメリカが無法務地帯である事を知ったわ。被害者が加害者にされても弁護士は動いてくれない…私が初めて携わった事件。それがきっかけだったわ」
ホテル王殺人事件だ。
今でも忘れることがないわ。
「藤原様は才能ある若者の援助をしているのよ。お金がないだけで優秀な子供達に教育を受けられるように…警察学校にも援助しているの」
「確かに藤原氏の事はよく耳にした」
「私が警察学校に入ったのも藤原様に勧められてよ。まぁ結局私にはむいてなかった」
「そんなことは…」
「嫌われ者だったし」
男社会の中に女が入るのは難しい。
特に頭の良い女は小賢しいと言われるのだから。
でも私は上司には恵まれた。
「あの襲撃事件で私は走れなくなった…まぁ、相手側は殺せなかったのだから腸が煮えくり返っているわね」
「まさか、あの事件は…」
「中に内通者はいたけど。上層部は打ち切ったわ」
悔しい。
怪我さえしなければまだ調べることができたのに。
「死にかけた私は藤原夫妻に救われ、夜の街で働くことにした。刑事を辞めても私を必要としてくれる人はいるわ」
「だからって…」
「私は常に自分の信念で動いているわ。警察機関に未練はないわ。だって私、警察って大嫌いだから」
「A…」
彼等に言うべきではないと解っているけど言わざるを得なかった。
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killerハリケーン(プロフ) - とても、面白いです。更新楽しみにしてます (2022年7月27日 12時) (レス) id: 720db65644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししゃも | 作成日時:2022年7月14日 14時