【名探偵コナン】降谷零に寵愛された理由

墓穴 ページ11

何か誤解があるようだ。


「僕は全てを知った上でこの話を受けました。確かにちょっとした打算もないとは言えませんが」

眉を下げながら申し訳なさそうに言う降谷さん。
殆ど安室さんモードになりかなり優し気な表情だったが何故私の手を握るのか！

「けれど僕の意思です」

「えっ…はい」

何で私の手を優しく包み込み極上のスマイルなんですか？

「周りは確かに政略結婚だと言うでしょうが…ご縁をいただき嬉しく思います」

やめてぇぇぇ！！

そんな王子様のようなスマイルをしないで！
乙女ゲームじゃあるまいし…いや乙女ゲームか？

一応ゲームの世界だった。


「零さん、日陰で苦労しますのでどうか…」

「かまいません」

「私は財閥の令嬢というだけで何もありません」

他の御令嬢のように優れたものは何一つ持っていない。

「僕だけの一輪の花になってください」

聞けよ、人の話しを！

「婚約破棄をされた身で結婚式はできませんし披露宴もまともにできません」

「構いません」

「えっ…」

私、もしかして墓穴を掘った？
もう今の段階で公安に所属していたりする？


私自分で自分の首を絞めているんじゃ。


「貴方は諸刃の剣と言いましたが、僕にとって身を守る懐刀です」

そう言いながらトリプルフェイスさんは私の手を取りキスをした。


さらなる死亡フラグを立たせてしまった私は追い込まれてしまい。



「おめでとう！A！」

「降谷、おめでとう」

お父様と部下の人がその後戻って来た。


「零君、どうか娘を頼んだよ」

「はいお任せください」


いや、お任せくださいじゃないから。
どう考えてもおかしいだろ？

月とスッポンの婚約じゃない！！


「お嬢様おめでとうございます」

「お父様…」

泣いていいですか？

どうして私の想像する斜めを行くんでしょうか。

駆け引きをすればよかっあのでしょうか？
でもあのまっすぐな瞳を前に偽りを口にすることはできなかった。

真心を持って言えば解ってくれると思ったのに！！

私は選択を間違え最悪の結果になったことを嘆き悲しんだのだった。

薔薇の花束→←諸刃の剣

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す