【名探偵コナン】降谷零に寵愛された理由

BAD ＥＮＤからの始まり ページ2

誰かに頭を押さえつけられ痛みが走り目を覚ます。
目の前で私を軽蔑の視線を向ける人。

大勢で一人を押さえつけておきながら自分は悪くない、むしろ正しいことをしたかという様な言い方に私はげんなりする。

「申し開きがあるならば聞いてやる！A」


まるで罪人のような言い回しだ。

「か弱い女性に対して暴力で押さえつけるのが紳士のやり方ですの？」

いくら何でもこの扱いはあんまりだわ。
けれどそんな真っ当なことも彼等には通用しない…

「罪人に情けをかける必要などない」

「当然の処置です」

私が罪人だと決めつける彼等は私が痛めつけられて当然だと言っている。


体を押さえつけられたせいで足まで痛めている。
捻挫は確実だけど骨折はしていと願いたいところだけど。


「私は彼女に苦言をいたしましたわ」

「認めるんだな…何故だ。何故こんなことを！」

「何故？言わなくてはわかりませんの？」

この状況でさらに何故だと聞いて来るなんて愚の骨頂でしかない。

「婚約破棄の件は受けたまわりました…ですが私は彼女に個人的な感情で嫌がらせをした覚えはありません」

「この期に及んで逃げる気ですか！」

そう言いながら私を睨みつけるのは私の実弟。
取り巻きになり下がりっているとは見るに堪えない。


「noblesse oblige に誓っていたしませんわ。ですがもう二度と会うこともないでしょう。婚約破棄は私から父に伝えます…どうかお幸せに」


私はこれ以上この場にいるつもりはない。
これ以上の辱めを受けるつもりもないのだから。



ここでこんなことを言うなんて何処まで馬鹿な男なのか。

「待て最後に土下座をして詫びろ!」

「謝罪は意味を成しません。私は愛理様に悪いことをしたと思っていません」



「愛理様、貴方は私から奪いつくしましたが…一つだけ奪えないものがあります」

私は一度だけ彼女を見据えて言い放つ。

「私の誇りです」

戸惑う様な視線を向ける彼女。
私が断罪されて絶望して、そして愛する婚約者に縋るかみっともなく罪を認めず醜態をさらすと思っているがシナリオ通りにしてやらない。


だってここは物語の世界でも私の物語でもあるんだから。

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