カンダウリズム ／ gr ページ15
｢……止めるなら今しかあらへんけど、ほんまにええの？｣
｢嗚呼。宜しく頼む。｣
｢…分かった。｣困ったような表情で告げると、鬱は隣に立つ女へと顔を向けた。彼女は同じく困ったように微笑み、鬱の腕に自身の腕を絡めた。そして此方に見せ付けるように自身の胸を腕へと押し付けて告げる。
｢じゃあ、しっかり見ててね。｣
そんな言葉を残し、鬱と彼女は部屋を出て行った。扉が閉まったのを見届けると、手元に置いていたパソコンの電源を付ける。イヤホンを装着し、画面に映し出される映像に集中する。画面には先程出て行った二人の姿。鬱が寝具に彼女を押し倒し、深い口付けを交わしている。苦しげな、けれど心地良さそうな彼女の表情にゆっくりと自身の体が熱を持ち始める。
彼女、Aは俺の恋人である。彼女は俺を愛していて、俺も彼女の事を愛している。ならば何故、彼女は俺の旧友である鬱先生と行為に及ぼうとしているのか。それは、自分の大切な恋人が第三者と性的な行為を行っている。その事実にしか俺が興奮出来ないから。申し訳ないとは思っているが、｢貴方の為なら。｣とこうして愛してもいない男に抱かれる彼女に興奮し、止められずにいる。
ぼんやりとしていると、大きく響く肌がぶつかり合う破裂音と、彼女の甘美な嬌声に引き戻された。ギシギシと音を立てる寝具。彼女が口元に手を当てようとするも、その手は鬱によって動きを遮られる。意識が全て画面に奪われる。息をするのを忘れる程、二人の行為に集中する。
｢んっ、は、ぁ…、ぐるっ、ぺ、んんっ、｣
ふと、画面越しに彼女と目が合った。彼女はゆっくりと此方に手を伸ばし、俺の名を呼ぶ。しかし、その手は鬱に掴まれ、俺の名を紡ぐ口は彼の口で塞がれてしまう。ぼろぼろと大粒の涙を流し、快楽と、その他の様々な感情が入り混じる彼女の表情に、昂りが抑えられない。
｢は、ッ…A、A…ッ！｣
彼女が乱れていく様を見ながら、自身もひとり遊びを始める。赤く染まる頬に、潤んだ瞳。とても愛しい彼女の淫靡な姿。とてもそそられるが、それは俺ではない男にされるから良いのだ。
｢A、ずっと、御前を愛している、｣
この言葉を、アイツはどう思っているのだろうか。もう信じていないのかもしれない。こんな事をさせているのだから仕方が無い。
──けれど、俺はこの先もずっと御前を、
─
カンダウリズム：第三者に自分のパートナーの裸体を晒す事で快感を得る性的倒錯。寝取らせ性愛。
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平凡な人(プロフ) - うん。凄い。性癖にドストライクで刺さりました!更新楽しみにしています！ (2022年2月3日 20時) (
レス) @page9 id: 244f5e227a (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - めちゃくちゃ好みです！！毎回更新楽しみにしてます♡ (2022年1月26日 10時) (レス) @page22 id: 765b91b6bf (このIDを非表示/違反報告)
りんごうまい - ところどころ性癖に刺さった (2021年10月21日 23時) (レス) @page20 id: ef60100ca2 (このIDを非表示/違反報告)
たらい(プロフ) - ど趣味でえぐいっすふファンになりやした (2021年8月1日 0時) (レス) id: 0b993ff198 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 好きです!! (2021年6月13日 14時) (レス) id: f606088b79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悲哀 | 作成日時：2021年5月28日 19時
