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「はーい、じゃあ撮影始めまーす!」



お願いします、と声をかけてから雑誌の撮影が始まった。
毛布にくるまり目を瞑る岩橋に、そっと近づく神宮寺。
頬をつんつんされている感覚に、彼を思い出してしまった。
シャッター音に、怒られるだろうなと悲しくなった。


「玄樹?」



耳元で名を呼ばれ、目を開けて神宮寺を見つめれば、その瞳にすべてを見透かされてしまいそうだった。


じんぐうじ、と声にならない声で呼んだ後、聞こえていないのか神宮寺はそのまま腰のあたりに体を預けてくる。
心地よい重みと温かさに、涙が出そうだった。







いつからだろう、上手く笑えなくなったのは。
いつからだろう、好き、が、怖くなったのは。




「いわげん、ご飯行かない?」



スケジュールをすべて終えた楽屋で、岸に声をかけられ、体を硬くした。




「あ、ーーー 」



一緒にご飯に行きたいと思ったけれど、今日はすぐ帰ると彼に伝えてしまった。



「ごめん、今日は、ちょっと」




軽く詫びて、楽屋を出る。
楽屋を出たところで、携帯を握り通話履歴から彼にかける。



「もしもし……ごめんね、今、終わったから」


「そっか、お疲れ様。家で、待ってるね」


「あの、さ…今日ご飯行っても……」


「うん?…げんきは俺といたくないの?」


「そうじゃなくて」


「じゃあ、なに?……俺を、ひとりにするの?寂しいなぁ、」


「ごめん、すぐ、いくから」


「うん、待ってる。げんきの好きな物作るから」



「分かった、じゃあ、あとで」







*

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きぃぽぽ(プロフ) - 花さん» 花さん*はじめまして、コメントありがとうございます!ほんの少しの文なのに、そうして雑誌まで見返して頂いて!嬉しい限りです。最後まで是非お楽しみください (2020年1月5日 20時) (レス) id: 8ca93dc13a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 他にない視点のおはなしでいつもどきどきしながら読ませていただいています*^^*覚えある雑誌のシーンに「あ!」と切り抜きあさりました(笑)いつも素敵なお話ありがとうございます*^^*つづきもたのしみにしています♪ (2019年12月29日 8時) (レス) id: 5858306d0d (このIDを非表示/違反報告)
きぃぽぽ(プロフ) - ななみさん» はじめまして、ななみさん*読んで頂き、ありがとうございます。とても嬉しいお言葉です、本当にありがとうございます。これからも楽しんで頂けたら幸いです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 8ca93dc13a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はじめまして。読ませていただいて、優しい空気感惹かれました。読んで、映像が(映画みたい)頭に浮かんでくる作品が好きです。きぃぽぽさんの作品をもっと読みたいです。更新楽しみにお待ちしております。 (2019年11月7日 16時) (レス) id: 56b007f690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きぃぽぽ | 作成日時:2019年11月3日 22時

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