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黒い、暗い、一面のもや。

 私にとっての普通はこの薄暗い、いつまでたっても太陽なんて昇ってこない、深い海の底にいるような息苦しい世界。何も面白くなんてないし、何もせずに生きている。

(今日も帰ってこない・・・・・・)

 お父さんとお母さんはとっても仲良しで、いつも私をおいて何処かへ行く。だから私は何も出来なくて、一人でただ二人の帰りを待つだけ。
 何もしていないと、息をすることすら忘れてしまいそうになる。否、もう動いていないのだから、息なんて最初からしていなかったのかもしれない。あれ?息ってなんだっけ?・・・・・・まあ、いいか。
生きているのか死んでいるのかと聞かれたら、私は多分死んでいると答えるだろう。

 窓から風が入り込んで、閉め切ったはずのカーテンを揺らした。
 足下を通って壁にぶつかり勢いをなくす。

 ――寒い。

 でも、寒くない。
 こうして二人を待っている方がよっぽど寒い。
 お母さんはご飯を作ってくれるだろうか。
 お父さんは一緒に遊んでくれるだろうか。

 そんな淡い希望がすぐに消えてしまうのはもう何度目なんだろう。


――・――・――・


 どうも。
 キオンと申します。

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作者名:キオンkionn/不服の狼 | 作成日時:2019年5月23日 20時

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