82.再会 ページ33
「体も随分動くようになってますし、体力も付きましたね。以前と変わらない程までに回復されたので、もう大丈夫ですよ」
そんな胡蝶さんのお墨付きを貰った私は無事に特別訓練を終えて、また無一郎くんの御屋敷に通えることになった。
翌日、久しぶりに無一郎くんの御屋敷に足を運んだ。
毎日通っていたけれど、暫く来られなかったからとても懐かしく感じる。
御屋敷に付いて直ぐ、早速掃除を始めていると玄関から家人を呼ぶ声がした。
誰だろう?と考える私を他所に無一郎くんは来客があることを知っていたようで、玄関に歩いていく。
彼の背中を追うように付いていくと、見知った小さな体が私を見付けて勢い良く叫んだ。
「お姉さん!!」
「えっ、進くん?」
ばっと駆け寄って私に抱きついてくる進くん。
「良かったよぉ〜」と今にも泣き出しそうに言うから私も彼を抱き締め返す。
「心配かけてごめんね。私、もう元気だよ」
言えば、顔を上げた進くんが「僕はね、妹が出来たよ!お兄ちゃんになった!
キラキラした目で嬉しそうに言うから、私も嬉しくなる。
「わぁ〜!進くんお兄ちゃんになったんだ!おめでとう」
「うん!だから、今度何かあったら僕がお姉さんを助けるね!!」
「ありがとう」
「Aを守るだとか君には早いよ」
進くんに笑いかけていると横から無一郎くんのそんな声がする。
また無一郎くんは!
言い返そうとすると、進くんが「お兄さんには負けないもん!僕が大きくなったら、どっちがお姉さんを守れるか勝負しよう!!」
なんて言うから心配無さそうだった。
進くんを居間に上げて、子どもが好きそうなお菓子を探す。
ここは蝶屋敷とは違うからあまり置いていないけれど、お煎餅があった。
お茶を淹れて、3人仲良く頬張る。
進くんは妹のことを嬉しそうに話してくれた。
また、今度家に会いに来てよ!
そう言った進くんとひとつ約束が出来た。
沢山話をして、日が暮れる前に私は無一郎くんと一緒に進くんが帰っていくのを見送った。
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作者名:月見 | 作成日時:2020年10月11日 5時