カフェオレ - Ren.Nagase -

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10月がもうすぐ終わる夕方の空は少し暗くて


夕日が電車の路線で反射していて少し眩しい





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少し前までカッターシャツだった私の制服も


今ではブレザーが欠かせないようになった





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電車が来るまであと8分





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誰かと一緒にいるわけでもない私は


カバンのチャックを開けて財布を取り出す





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中には120円だけ入っていて


それを手に握りしめて


ホームにある自動販売機へと足を運ぶ





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110円を入れたところで


10円玉が手から滑り落ちて


自動販売機の下へと転がった





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『嘘....。』





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頑張って手を伸ばしてみたけど


とれなくて落胆する





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....今日はついてないな





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『カフェオレ飲みたかったのになぁ。』





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私はスカートをパパッと払って


立ち上がろうとした時





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ﾁｬﾘﾝ、ﾋﾟｯ......、ｶﾞｺﾝ





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私の前にカフェオレの缶が落ちてきた





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すると誰がカフェオレを取って


私の前にだす





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「ん。」





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顔をあげるとそこには


私と違う制服を着た男の人がいた





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『......え？』





「カフェオレ飲みたかったんやろ？」





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少し高めの


....関西弁が響く





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『あっ、えっと、お金！』





「ええよ、10円くらい笑。」





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その人は私の腕を優しく引っ張って立たせると


私の手の上に缶を落とした





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「これ美味しいよな。」





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これが私と君との出会いでした





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