二度あることは ページ3
.
後悔先に立たず。
沙苗は電車の遅延で遅れて来るらしい。
「…………はぁ」
スマホを見ながら思わず溜息をつく。
話したこともない男の子に起こしてもらうなんて、恥でしかない。
「じゃあそろそろ授業入ろうかな」
カードリーダーが回り終わり、先生も話し終えて満足した様子だ。
先生が資料のページ数を言っているけれど何も頭
に入ってこない。
朝の寝ぼけた私の頭はそういくつも物事を考えられない。
・
・
・
・
・
「…………が……で、こうなります」
おかげさまで、すっかり目は覚めた。
が、何分たっても頭は勉強モードに入らない。
天罰だろうか。
「……じゃあ周りの人と話し合ってくれる？」
「え………………」
二度あることは三度ある。
これがきっと、その “二度目” だろう。
気がつけばなんと授業は30分も経過していた。
つくづく私は沙苗に助けられていることを実感する。
別に適当にやり過ごすこともできるけど、今回はそうもいきそうにない。
プリントを手に取る先生を思わず睨んでしまいそうだ。
いや、全面的に悪いのは私なんだけど。
「授業終わりに回収するからね」
こんな日に限って普段は滅多に出ない授業内課題が出る。
「( どうしよう………… )」
決して友達は少ない方ではないと思う。
でも何故かこの教室にはまるで知り合いがいない。
前から回ってくるプリントを、また溜息が零れそうになるのを抑えながら後ろに回す。
「………………？」
後ろに回したプリントは私の手を離れない。
もしかしてさっきの男の子も寝てしまったのだろうか。
さっきのお詫びのつもりで起こしてあげようと罪滅ぼしのつもりで振り向く。
「あ……れ…………？」
寝ては、ない。
それどころか
振り向くと男の子はニコニコこっちを見ていた。
「………………あの？」
声を掛けると男の子はハッとしたように慌ててプリントを受け取る。
「あ…………すんません、ボーッとしてた」
笑顔でボーッとする人なんているのだろうか？
ちょっと可笑しくて口元が緩みそうになる。
「いえ、全然…………」
口にキュッと力をいれて堪え、大した返事もできずに前を向き直す。
そしたらまた
「あの」
背中から少し低めの声が私を呼び掛ける。
「よかったら、これ一緒にやりません？」
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しおり(プロフ) - このお話とってもすきです！続きも楽しみにしています！ (2020年2月9日 20時) (
レス) id: f2d61f7afd (このIDを非表示/違反報告)
kino.(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます(><)！そんな風に受け取っていただけて嬉しいです（ ; ; ）いつものろのろとお待たせしてしまって申し訳ないのですが、これからも見ていただけますと嬉しいです（ ; ; ） (2020年1月5日 14時) (レス) id: ee69af6f8c (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - はじめまして！壱馬くんと主人公ちゃんのやり取りが可愛すぎます！この作品大好きです！更新大変だと思いますが、陰ながら応援しています！失礼しました！ (2020年1月5日 8時) (レス) id: 67f82f89a4 (このIDを非表示/違反報告)
kino.(プロフ) - も。さん» コメントありがとうございます！そんなふうに言っていただけて凄く嬉しいです（ ; ; ）とてもお待たせしてしまうと思いますが、更新頑張りますのでお時間あります時に覗きにきていただけると幸いです。温かいお言葉にお応えできるように頑張ります(^^) (2020年1月5日 0時) (レス) id: ee69af6f8c (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - 初めまして！大学生の設定ですがアーティスト本人の性格がとんでもなくそのまま出ていて、大学生らしい展開にいつも悶えながら読ませてもらっています！無理せずにご自身のペースで更新頑張ってください！本当に大好きなお話で沢山読み返させて頂きます！ (2020年1月4日 22時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kino. | 作成日時：2019年12月13日 21時
