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私が猫柳君の横顔に惚れ惚れしていると、隣からつんつんと人差し指で二の腕をつつかれた。左隣は犬神君だ。私のぷにっとした贅肉だらけの二の腕を触られたと思うと、殺意と同時に羞恥心が込み上げてくる。
「あっと、何? 犬神君」
「あー、別に何だって訳じゃないんだけど」
私に合わせた小さい声は心なしか強張っているように感じた。そして、少し素っ気ない。
「あ、ここ間違ってるよ。正しくは三」
少し焼けて骨張った指が、トントンと軽い拍子で私の汚い字を叩いく。「意外と出来ないんだねー」と軽く犬神君が云うと、五月蝿かったのか眉間に皺を寄せた猫柳君が「お前失礼だろ。だったら真也は如何なんだよ」と厳しい口調で云い返した。
「俺? 俺は勿論__」と云いかけて、私達は固まった。前方には、いつの間にかキラリと目の奥を光らせた小林先生が仁王立ちをして、私達を見下ろしている。
「犬神、高梨、五月蝿いぞ。授業中に何話してるんだ。猫柳にも迷惑だろう」
え? 猫柳君は__。
「先生、猫柳だって喋ってましたー。俺と亜胡ちゃんだけじゃありません!」
「何を云ってるんだお前は。猫柳ならキチンとノートを録っているだろうが。人を捲き込むんじゃない!」
嘘だ! と反論を交えて猫柳君を見ると、そこには冷めた目でこちらを見て少し勝ち誇った顔をしている猫柳君が居た。
その後、私と犬神君は授業が終わった後に廊下でたっぷりとしごかれたが、私は二人に触って頂いたノートのことばかり考えていた。
あ、もうあそこ消せないわ。如何しよう。
と。
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秋葉まこ - ニャンコ先生@生チョコ族さん» 詳しく教えていただきありがとうございます!! (2017年10月13日 17時) (レス) id: b83ad12f14 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ先生@生チョコ族(プロフ) - 秋葉まこさん» おお! 有り難う御座います! 軽ーく腐女子度検定も混ぜてみました。ヒントは二話の最後ら辺と紗枝の台詞です。暇な時是非(( (2017年10月13日 7時) (レス) id: 94827244c2 (このIDを非表示/違反報告)
秋葉まこ - うおおおおおッ!読みに来ました!!うわあああああ!これ絶対面白い小説が誕生しました!!早くも続きが気になりますが更新は自分のペースでやっていってください!!ワクワク! (2017年10月12日 22時) (レス) id: 0faa99912c (このIDを非表示/違反報告)
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