プロローグ ページ2
＊
高校に進学してから早数ヵ月。歩くたびに冷たい秋風が体に斬り込むこの季節は、スカートの短い女子高校生にとっては堪え難いもので、その痛みといったら修行僧が真冬に滝浴びをするのと同等だと見える。
保湿クリームを塗っても尚ヒリヒリピシピシする足を掌で擦り、必死に温める。
そんな辛い思いをしてまで何故私達が足をひけらかすように出しているのか。それは、そう＿＿
「好きな人に振り向いてもらうためよ！」
ドドーン！ という効果音が似合う私の背景には、黒渕眼鏡をかけた友達、
その横では栗色がかった茶髪の
「あーはいはいはいはい。まぁた妄想？ 亜胡さん」
「はあ？ 違うしー。これは列記とした事実だしー」
あっかんべーと舌を出すと、紗枝はまたあの独特の笑い方で半分馬鹿に、半分楽しそうに笑った。
「紗枝も亜胡も言い過ぎだよー。あ、そういえばさ」と朱里はたった今思い出したようにぽんっと手を叩き、「今日のせきがえ如何だった？ 私自分のことで一杯々々で、二人の席分からないんだけど……」と続けた。
「あー席替えね」
朱里が振った話題に、紗枝がいち早く反応した。心なしか、いつも紗枝は朱里の話を優先しているような気がする。その声は普段と変わらず、いや、倍にして興味なさそうだが。
「私は中央の後ろから二番目。前が後藤でさ、授業中も寝れる安全地帯なんだよね。あれだよね、朱里は同じ列の前から＿＿」
「二番目だよ。私背が低いからさー」
「亜胡ちゃんは？」とこちらを振り向く朱里の言葉に、私はフッフッフッと意味ありげに笑った。
そう、それだよ朱里！ 私はその言葉を待っていたのだよ！ 満を辞してよかった！
「よくぞ聞いてくれました！ 私の席はねー、何とあそこなのだ！」
そうい言って、ビシッと窓側の最後尾を指差した。
「え、そこ！ いい場所じゃん」
「いいなー。交換しようよ」
「駄目ですー」
予想通りの反応に思わず天狗になる私。私が勝ち取った席は、女子なら一度は憧れるイベント、逆ハーが体験できるスポットなのだ。
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秋葉まこ - ニャンコ先生＠生チョコ族さん» 詳しく教えていただきありがとうございます！！ (2017年10月13日 17時) (
レス) id: b83ad12f14 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ先生＠生チョコ族(プロフ) - 秋葉まこさん» おお！ 有り難う御座います！ 軽ーく腐女子度検定も混ぜてみました。ヒントは二話の最後ら辺と紗枝の台詞です。暇な時是非(( (2017年10月13日 7時) (レス) id: 94827244c2 (このIDを非表示/違反報告)
秋葉まこ - うおおおおおッ！読みに来ました！！うわあああああ！これ絶対面白い小説が誕生しました！！早くも続きが気になりますが更新は自分のペースでやっていってください！！ﾜｸﾜｸ！ (2017年10月12日 22時) (レス) id: 0faa99912c (このIDを非表示/違反報告)
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