第四話 ページ6
「あ」
入店した砂色外套の男と目が合う紛れもなく『太宰治』その人だった
彼は私がポートマフィアの裏幹部であることを知る数少ない人物の一人だ
とは言え私は別段探偵社を敵視しているわけではないので私を見て笑顔を向けてくる
マフィア時代の光のない笑顔とは違い優しい笑みだった
太宰「やぁ有栖じゃないか!久しぶりだねぇ、是非私としんじゅ「やめろこの迷惑噴射機がぁ!!」」
誰かを心中に誘うのは相変わらずだ、そして国木田さんに投げ飛ばされるのがオチ
「はぁ、大変ですね国木田さん、そちらもお仕事ですか?」
国木田「全くだ、ん?『そちらも』ということはお前も仕事か?」
「ええ、長期の出張、ですかね」
太宰「へぇ、仕事ねぇ」
「・・・太宰さん、その勘繰るような目はやめていただきたいのですが・・・」
これだから太宰という男は厄介だ
下手に邪魔をされると面倒なのでこう付け足すことにした
「・・・仕事、と言っても観光ですよ←訳:監視任務です邪魔しないでください」
太宰「そうかい、まあ息抜きも大事だね←訳:まあ邪魔はしないでおくよ、そちらが何もしなければだが」
コナン「お兄さんたちも仕事なの?」
と先ほどまでおとなしくしていたコナン君が突然口を開いた
国木田「有栖、なんだその子供は」
「少年探偵団だそうですよ」
太宰「へぇ君達も探偵なのかい?」
円谷「そうです!僕は円谷光彦と言います!!」
と自己紹介を交わした
コナン「武装探偵社?」
太宰「そう、私達が引き受けるのは猫探しなんかじゃない、軍警でも手に負えない厄介ごと・・・荒事が専門だけどね、ところで有栖ちゃん」
「?なんですか?」
太宰「君は少し警戒心というものを持った方がいい、ストーカーとかね?」
恐らく先程コナン君が仕掛けた盗聴器の事だろう、この人が本心で言っているのならば蹴り飛ばしたいところだが、きっと彼は私が盗聴器を仕掛けられた自覚があることを知っている
知っていて対処してくれるという事なのだろう
はっという表情をして焦ったようにポケットを漁ってみる
そして驚いたように見せながら掌に盗聴器を乗せた
「・・・なんです?これ」
国木田「それは・・・盗聴器か!?」
太宰「全く困ったものだよ、有栖に手を出していいのは私だけだというのに」
「なにかおかしなセリフが聞こえたような気がしましたが・・・これどうします?」
国木田「仕方がないこちらが処理しておこう」
「ありがとうございます」
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レイ(プロフ) - りゃんくさん» コメントありがとうございます。最近ネタ切れで更新遅くなると思いますが生暖かい目で見守ってくださるとありがたいです。 (2019年4月27日 23時) (レス) id: d55ab5779a (このIDを非表示/違反報告)
りゃんく - 有栖川有栖って小説家さんですよね?私も好きです!設定めっちゃかっこよくて、お話もとても面白かったです! (2019年4月27日 23時) (レス) id: b724a19623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒猫 | 作成日時:2019年2月2日 14時