百四十六粒 ページ3
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「ほんま!?ツアー来てくれるん?」
するとどこからか弾んだ柔らかい声がした。
「お兄ちゃん?」
私が振り返ると手をブンブンと振っている彼の姿が目に入った。
「俺たちもいるよー?」
そしてひょこっと莉犬くんも顔を出す。
先程車に乗っていたのは私ともりさん、ころんくん、さとみさんの4人だった。
そして、俺たちも、と言った莉犬くんに引っ張られもう1人のメンバーが顔を出した。
…るぅとくん。
彼は目が合うと一瞬目を伏せたが、私に向かって歩き出した。
「笹川さん、あの、お話があるんです。
だから、ちょっと来てくださいますか…?」
カチコチに緊張しているのがよくわかった。
私もそれに釣られて緊張する。
私が頷くと後ろからは賑やかな声が聞こえた。
「るぅとちゃーん、そんなカチコチに畏まらないでよー」
「そうやで?Aも緊張してるでー」
「とりあえず、こっちで話そうぜ?」
彼の様子を伺うと、緊張は取れたものの今度はそんな声に向かってむぅ、と頬を膨らませていた。
「なんなんですか!」
そしてガバッと私の方を向いて私の手を取った。
「笹川さん、あの、この前は、ごめんなさい。
ちゃんと、お話しましょう」
彼は手を引いて、彼らの方へと進んだ。
違う、私も謝りたい。
きっと、そのお話の時に。
私は大人しく彼らの後について行くことにした。
「あ、るぅちゃんいつまで手握ってるの?」
突然の莉犬くんの言葉にはっと自分の手を見ると、相手もやっと気づいたのか彼の手が離れた。
「あ、ご、ごめんなさい…」
そういう彼に「いえ、いいんですよ…!」と焦りながらも応えた。
なんだか、この雰囲気は久しぶりだ。
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莉犬猫 - ななもり。さんだけidでてます (2022年6月18日 20時) (レス) @page43 id: a2185c14b6 (このIDを非表示/違反報告)
めーたん - 王子様を選ぶ所で選べないキャラがいたのでそのストーリーをみたいです! (2022年1月22日 9時) (レス) @page43 id: 0f93307700 (このIDを非表示/違反報告)
ツッツ〜 - なーくんのしかlD出てきません… (2020年8月18日 2時) (レス) id: 98be095f42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - あと、何か最後の誰を選ぶ?みたいな所で紫の王子以外のID出ていませんでしっ… (2020年7月17日 6時) (レス) id: a7dddc0f96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 完結おめでとうございます! (2020年7月17日 6時) (レス) id: a7dddc0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅうく | 作成日時:2020年4月19日 13時