百五粒 ページ18
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私はもりさんのことが好きだ。
確かに好き。
でもこれはさとみさんも例外じゃない。
出来ることがあればするし、やらせて欲しい。
「だから、私が助けてもいいんですよね…?」
そう確認の意味を込めて言った。
真っ直ぐな瞳が私を捉え、彼はコクリと頷いた。
そして。
グイッ
「ありがとう」
もう一度彼はそう呟いた。
私を腕の中に包みながら。
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ほんと、イケメンってタチ悪い。
私は彼に手を引かれ、今度は彼の胸の中に収まってしまった。
男性の胸板にここまで接近したことがなかった私。
凄くドキドキした。
でもそれと同時に何故か安心して。
私は何もせずにじっとしていた。
「ぬいぐるみみたいだな」
そんな私に彼はふとそんなことを言った。
それはつまりどういうことだろうか。
受け取り方が難しい。
おもちゃとでも言いたいのだろうか。
そう聞く私にまた彼は答えた。
「んーや、大事にするべき存在ってこと」
大事にするべき存在か。
…まぁ、なんか、キザなセリフ。
でも嬉しくて。
私は彼のサラサラした髪をそっと撫でた。
「ば、人形は黙って抱かれてたらいいんだよ」
しかしそれが気に入らなかったようで。
私の手を払い除け彼はそう言った。
いや、しかしですね…
「…わりぃ」
言葉選びって難しい。
その後2人の笑い声が夜に響いていた。
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ゆぅる - しゅうくさんは読者をキュンキュンさせる天才ですか?? (2021年12月6日 22時) (レス) @page11 id: b4dee99bf3 (このIDを非表示/違反報告)
しゅうく(プロフ) - ゆあもんさん» ゆあもんさん…!!神ではないですよ!?でも頑張りますね!ありがとうございます!! (2020年5月17日 11時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあもん - しゅうくさん神ですか?私毎回読ませていただいてます!もうねこの作品は神です!これからも応援するので頑張ってください! (2020年5月9日 12時) (レス) id: 9253ce94df (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - しゅうくさん» 全然です!!ご自分のペースで更新されてください!いつまでも待ってます! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3de2eab1b1 (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - しゅうくさん» 応援してます!(^^) (2020年4月19日 22時) (レス) id: 5ba2df906e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅうく | 作成日時:2020年3月17日 23時