百四粒 ページ17
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「嬉しかったからなんです、あなたに近づいたのは」
私の肩で少し彼が反応するのがわかった。
「さとみさん、最初凄く優しくて。
私でもわかるくらいに好意を寄せてくださってて。
何故かはわならないけど、それでも嬉しくて」
さとみくんの声に似てるっていうのももちょっとはあったんですけど。
と、更に前置きをしてから続ける。
「イケメンのお兄さんがいて、優しくされて。
そんな人から好意を向けられたら誰でも嬉しくなりますって」
私そんなに堅物じゃないですもん。
そう言うと彼とパチリと目が合った。
視界に広がる彼の綺麗な顔と天井のコントラストが、私が今床に押し倒されているという状況を物語っている。
「本当に、今この状況も昔の私なら心臓破裂して終わってましたもん」
そういうとさらに彼は目をぱちぱちとさせこちらを見てくる。
むしろそんなに見られたら恥ずかしい。
「…お前、俺の事かっこいいって思ってたの?」
そんな私になんとまぁ恥ずかしい質問を投げかけてくる彼。
やらしい。
「もう、自覚してるくせに」
だなんて言うとポカーンとした顔をした後すぐにまた頭を抱えて私からススス…と離れていった。
「俺またやらかしてんじゃん…」
だなんて言葉が聞こえる。
そんな彼の姿を見て少しほっとしたのと同時にちゃんと伝えなきゃだな、とも感じた。
「さとみさん」
「…ん」
ちらりと彼がこちらを見たのを確認して続ける。
「リスナーとして言います。
私たちはあなた方が頑張ってくれることが嬉しいんです。
何も出来ないなんてことはない。
頑張ってくれる姿を見て元気を貰えているんです」
「…うん」
彼が頷くのがわかる。
「そして、もう一つ。
これは私自身から。
もし頑張るのがしんどくなったら私にぶちまけてください。
またヤケ酒でもなんでも付き合います。
ご飯も作ります」
…暴力とかは嫌ですけど。
そういうと彼はまたこくこくと頷き「ありがとう」確かにそう言った。
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ゆぅる - しゅうくさんは読者をキュンキュンさせる天才ですか?? (2021年12月6日 22時) (レス) @page11 id: b4dee99bf3 (このIDを非表示/違反報告)
しゅうく(プロフ) - ゆあもんさん» ゆあもんさん…!!神ではないですよ!?でも頑張りますね!ありがとうございます!! (2020年5月17日 11時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあもん - しゅうくさん神ですか?私毎回読ませていただいてます!もうねこの作品は神です!これからも応援するので頑張ってください! (2020年5月9日 12時) (レス) id: 9253ce94df (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - しゅうくさん» 全然です!!ご自分のペースで更新されてください!いつまでも待ってます! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3de2eab1b1 (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - しゅうくさん» 応援してます!(^^) (2020年4月19日 22時) (レス) id: 5ba2df906e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅうく | 作成日時:2020年3月17日 23時