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八十二粒 ページ43

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「ほら、お前、リスナーだろ?」








「え…?」








突然の発言。



正直、痛いところをつかれたと思った。









なんでリスナーなんだろうとかって思ってしまったばっかりなのに。








リスナーでいることは幸せなんだけど。
応援できて幸せなんだけど。








こうも目の前の人に言葉を届けられないと苦しくて。
思わずそんなことを考えてしまったんだ。








そんな私を置いて彼はまた言葉を続ける。








「でも、森さんとリアルでもうまくいってるだろ?」








「…はい」








それに一つ返事しかできない私。
もっと言うと凄く曖昧な返事だ。




上手く、やっているのだろうか。









そんな私の心中を察してか、彼はため息混じりでこう言った。








「はぁ…そもそもな、リスナーとわかった上で今も一緒にいるってことがどういう意味か考えてみろ。
これで上手くいってなかったら誰がうまくやれてるんだ?」









そんなお前にしか出来ないことがあるだろ?









いたって真面目にそう言う彼に引き込まれそうになる。
きっと、これは私への励ましや慰めでもあり、助言なんだろう。








でも、まだ私にはわからなかった。
それがどういう意味か。








「何をするかはお前が考える事だけどな」









そして結局さとみさんも教えてくれない。






わからない、わからないけど。









なんでこんなにほっとしているんだろう。








私に出来ることがあるって言われて、嬉しかったのかもしれない。









「さとみさん、ありがとうございます…」








ちょっとだけ、安心して、視界がぼやける。








やだ、なんでだろう…
泣かれるの見られたくないのに…








でも彼は本当に気づかないのか気づかないフリなのか、私の涙には触れなかった。








「ほらほら、もりさん寒空の中でまた一人だぞー、拾わねぇのか?」









正直まだ何をするべきなのかはわからないけど、こんな関係で終わらせるのはいやだ。
もし何も出来ずに、関係が終わってしまうのであっても、ちゃんとケジメはつける。








心臓が痛いくらいに響いた。







「…行ってきます」









「おぉ」








何故か少し寂しそうな声が聞こえた。
後ろを振り返った時、最後に見えたのは誰かに電話をかけている彼だった。





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しゅうく(プロフ) - ゆにぃさん» ありがとうございます(´;ω;`)やっと幸せにまとまりました…! (3月17日 23時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにぃ - え、泣きました() (3月17日 20時) (レス) id: 68d7e1f8f1 (このIDを非表示/違反報告)
しゅうく(プロフ) - ハルカさん» わー!ごめんなさい…こんなシリアスシーンに…ご指摘ありがとうございます! (3月14日 20時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - すみません私も誤字してしまいました (3月14日 20時) (レス) id: 796bfd041b (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 誤字です痛いところを疲れた思った となってます さっきなんて、なんで となってます (3月14日 20時) (レス) id: 796bfd041b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゅうく | 作成日時:2020年2月19日 23時

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