私、拾ったからには面倒見ます【すとぷり】

五十四粒 ページ14

.




「あー、あの……ｽｩーーー」






どうしていいかわからないので続きが言えない私。




そんな私を見かねてか、桜田さんが代わりに続けた。







「お前なーくん推しなの？」






って。


え？








「え、いや、それは違いますけど」





続けてくれたのは有難いがそれはちょっと違う。






そんな私に「まじ？」と心底驚いたような顔をする桜田さん。








「はい、もりさんは推しではなくお兄さん(猫さん)なので」







私がいたって真面目に答えるとわっからねぇ。とでも言うかのような顔をした。






でも意外。
私がリスナーというか、さとみくんの存在を知ってたのにあまり動揺していない気がするから。






「ちなみに俺はメンバーだと何番目？」





こんな事聞けるくらいに動揺していないんだと思う。






だから私も「…聞きたいです？」とかってはぐらかしておいた。







「いや、遠慮しとく」







いつも通りだ。やっぱり。
くすくすと笑い合えて嬉しい。
良かったって思った。


だからちょっと聞いてみた。







桜田さん、というかさとみさんは私がリスナーで引かなかったんですか？






って。






.

五十五粒→←五十三粒

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す