六十三粒 ページ23
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とうとう来てしまった。
でもさっきの「う○こうめぇよ」のセリフのおかげかちょっとだけ余裕を持って入れた私。
ぱっと顔をあげて推しくんの居るであろう方向を見た。
「こんにちは…!ころんk……え…?」
「はーい、こんにちh……は…?」
本当ならここで挨拶を終えて握手をするところだと思う。
お互いそのつもりで手を出しているのだから。
でもその手は繋がれることなく、中途半端な位置で止まったままだった。
なんで、え、だって…
そこにはこの間挨拶をしたお兄さんが居た。
あの、青木さんの息子さんかなぁとか言ってた人。
え…だってそっくりとか……はい…?
パニックになりつつもこれではダメだということはハッキリとわかっている私。
違う…まって落ち着いて…
もしかしたら相手は気づいてないかもしれないし。
いや、流石にそれはもうないか。
推しに「は…?」って言われてしまったらもう認めるしかない。
でもやっぱりここで固まっているのはおかしい。
係のお姉さんもビックリしているし。
だから出来るだけ自然に、当たり障りのないことを言う。
「は、初めまして…!
ころんくんのこと大好きで…その、これからも応援しています!」
多分、これでいいんだと思う。きっと。
ありがとう、きっと推しくんもそう言ってくれた。
たぶん、きっと、そう。
私は当たり障りのないことをしたつもりだった。
でも本当にテンパっていたようで。
ブースを出たあとで気づいたんだ。
あ…どうしよう…テンパりすぎて握手してない…
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しゅうく(プロフ) - ゆにぃさん» ありがとうございます(´;ω;`)やっと幸せにまとまりました…! (2020年3月17日 23時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにぃ - え、泣きました() (2020年3月17日 20時) (レス) id: 68d7e1f8f1 (このIDを非表示/違反報告)
しゅうく(プロフ) - ハルカさん» わー!ごめんなさい…こんなシリアスシーンに…ご指摘ありがとうございます! (2020年3月14日 20時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - すみません私も誤字してしまいました (2020年3月14日 20時) (レス) id: 796bfd041b (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 誤字です痛いところを疲れた思った となってます さっきなんて、なんで となってます (2020年3月14日 20時) (レス) id: 796bfd041b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅうく | 作成日時:2020年2月19日 23時