合縁奇縁【ヒロアカ×呪術廻戦】 (ページ26)

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「Aがキレてたの、なんつーか珍しいな」

「えっ？」

皆と合流し、仲良くお昼を食べていた
もちろん五条先生の奢りで

前に座っていた悠仁がふと思い出して話し出す
物間と話していた私が、普段と違う様に見えたらしい

知らない野薔薇や先輩が何だ何だと騒ぎ出す
悠仁が皆に物間について話し、また口を開く

「Aっていつもポワポワしてるイメージだから、言い合ってたの新鮮だったっつーか」

「昔はもっとヤンチャだったんだよね」

昔を知る五条先生が面白がって言う
ヤンチャしてたつもりはないんだけど……

ふと顔をずらすと神妙な顔つきで野薔薇が何かブツブツと言っている

「野薔薇？どうしたの？」

「嘘だ…Aがそんなことするハズ……」

「え？野薔薇？」

「あ───A、放っといてやれ」

心ここに在らずの野薔薇に話しかけるも返事はない
真希先輩が目を逸らしながら言った。パンダ先輩も棘先輩も目が合わない気が……。え、本当に何…？
気になって問いただすと、渋々パンダ先輩が白状した。
〝禪院家次期当主サマをぶん殴った噂〟を聞いたらしい

「あ…あ─────」

「えっガチなの！？」

煮え切らない反応をすると野薔薇が必死に聞いてくる
ガチ、ではある。自分でもとんでもない事をしたと分かっているし、大変な騒ぎになった
その後何故か無かったことになり何とかなったけど、その帳消しが無ければ私は罪に問われていたかもしれない
でも、でも…

「恵を、馬鹿にしたから」

どうしても許せなかった
その当時私は小学校高学年頃で、恵とは会った後だった。
恵は五条先生に引き取られたことで、禪院家が恵の存在を認知していた
次期当主様、直哉くんは恵を馬鹿にした

というか本当はくんなんて呼べる立場なんかじゃないけれど、何故か帳消しにする条件として度々会う事になっている
「君呼びでええよ、堅苦しいの嫌いやねん」なんて圧をかけて言われるものだから、仕方な──く呼ばさせてもらっている

「え、じゃあつまり伏黒を馬鹿にしたから殴った…？」

改めて言われると馬鹿な事をしたなぁとは思う
後悔はしていないけれど

「……良い子！それでこそA！」

「の、野薔薇！？」

ぎゅ、と野薔薇に抱き着かれ頭をわしゃわしゃ撫でられる
「よかった…」なんて呟いている

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