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『えっ……』
自分の耳が捉えた言葉がいまいち理解できず、声を詰まらせたままでまん丸の目をパチパチさせる。
廉くんはなぜかしょんぼりしたまま下を向いて、私の目を見ようとはしなかった。
嬉しい？
廉くんが？
私に「好き」って言われて…？？
それってつまり……
『…廉くん、まさか私のこと好きなの？？？』
廉「チッ………なんやねん、�爐泙気�″って。
てか何なんお前………今更それ言わすんか……」
『…？？？違うの？？？』
コロコロ表情が変わる廉くんが何が言いたいのかがよく分からず、小首を傾げたまま眉間にシワを寄せる目の前の顔をジーっと見上げていると
「はぁぁぁぁあ〜〜〜…」と、真上から深い深い溜息が聞こえて来た。
廉「…だからぁ…」
『うん。』
廉「…そのぉ…」
『うん。』
廉「あれやん…」
『どれやん…』
廉「…さっきはスルーしたけどな！！
その変な関西弁イラッとすんねん！！直ちにやめとけ！！あほ！！」
『んじゃさっさと用件言ってよ…』
廉くんがふんわりとした黒髪の襟足あたりを大きな手でワシャワシャと乱す。
すぐ目の前の、ボタン２つ開けられたワイシャツの襟元から香る
甘い甘い匂い。
忘れたかった胸の痛みが思わず甦りそうになったとき
不意に、細くて長い腕が
押し入れの奥の壁にもたれたままだった私の頭を、ゆっくりと包み込んだ。
シュルッ…と擦れる制服の布音が耳の奥に響く。
優しいのに苦しい、不思議な感覚。
動けない。
話せない。
時間が止まったみたい。
.
廉「…もっかい聞いて……」
『へ？？』
廉「……さっきのヤツ。」
真っ白だった頭を無理矢理叩き起こし、ほんの2〜3分前の記憶を必死で呼び戻す。
『…廉くん。』
廉「………………。」
廉くんは、私の肩におでこを当てたまま動かない。全身が心臓になったみたいにドキドキする。
意を決して息を吸った音が、狭い押し入れの中に響く。
『………………私のこと、好き？』
私の肩からほんの少し浮いた丸っこい頭が、
下向きのままゆっくりゆっくり
コクン…と、落っこちるのが見えた。
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きのこ(プロフ) - renrennagachanさん» 爆笑頂きましたー！！ありがとうございま〜す！！最近になって「ラブシチュの続き希望」と言うお声を頂き、「あ、コレが好きな人いるんだ…」と気づいた作者です。嬉しい！これの続きの短編もありますので、もし気になったら覗いてみて下さい〜 (2020年10月7日 15時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
renrennagachan(プロフ) - はいダメぇぇぇー！のくだりがマジで永瀬廉すぎて頭抱えました爆笑サイコーです！！こっそり続き待ってた根っからのび太系女子なので今回とても嬉しかったです！！ジャイ廉ごちそうさまでした！！！ (2020年10月7日 0時) (レス) id: 91d0c85321 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ちいさん» ありがとうございます(^^)こちらのお話は私も気に入っていたので、楽しんでもらえて嬉しいです！！ (2020年5月26日 14時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - もう本当に本当におもしろくてキュンキュンして最高でした！これからも楽しいお話書き続けて下さい！待ってます！ (2020年5月26日 14時) (レス) id: 07dfb12e8b (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - とぅーしょーさん» もう全身のどこにも見当たらないキュンを無理やり絞り出しました…。楽しんでもらえたようで嬉しいですヽ(´▽｀)/ (2020年4月30日 15時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ
| 作成日時：2020年4月17日 1時
