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「あ！」
後ろから驚いたような声が聞こえて来る。
追いかけて来たらどうしよう…
運動神経抜群の優太と違って、私はお世辞にも足が速い方では無い。きっとすぐに追いつかれてしまう。
そしたら…
恐怖で涙が滲み、焦りで足が縺れる。
そんな私の様子に気づいたらしい優太がピタリと走るのをやめ、少しだけチラッと周りを伺ったあと、目の前にある今にも崩れそうな廃墟化した一軒家の中へと
私を連れて、入り込んで行った。
ボロボロの石壁の内側に、2人で体をくっつけるようにしゃがみこんで身を隠す。
『っひ…っ！』
震える背中は包み込むように後ろから抱きしめられ、どうしても泣き声が漏れてしまう口は、指の長い大きな手でふんわりと塞がれた。
いつの間にかとっくに男になっていた優太の、暖かくて逞しい腕の中。
弟だけど
弟じゃない。
優太は知らない。
だから、ドキドキしてるのも私だけ。
真夏の夜の熱気に混じる、爽やかなシトラス系の匂い。
強張る体に、じんわりと広がる優太の体温。
優太はきっと、ただ心配して私のことを守ってくれているだけ。
家族だから。姉弟だから。
それだけなのに
恐怖の中にほんの少し混ざった種類の違う緊張を感じて、自分で自分に幻滅する。
こんな状況なのに
相手は身内なのに
私、頭おかしいんじゃないの。
雑草だらけの荒れ果てた庭へと虚な視線を彷徨わせていたら、「…もう行ったっぽいね。」と、頭上から落ち着いた声が聞こえて来た。
反射的に肩の力が抜ける。
よかった。
優太にお礼を言わなくちゃ。
けれど私の口を塞ぐ大きな手は外されることは無く、後ろから巻きつく長い腕も、なぜかむしろ強くなったかのように感じる。
動けない。
立ち上がれない。
もう大丈夫なのに、なんで離してくれないの？
そんな気持ちを込めつつ脱出しようと腕の中で身を捩ると、今度は耳の裏側あたりに、掠れた囁き声が聞こえて来た。
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きのこ(プロフ) - とぅーしょーさん» おーマジですか！ありがとうございます(^^)初めてぐーじさんメインに挑戦してみたんですが、まさかの毒wwけど楽しんでもらえてよかったです！！ (2020年3月28日 3時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
とぅーしょー(プロフ) - やばいっす。優男やば男なぐうじさんめっちゃ中毒です。なんていうんだろ。じぐたんの優しさと儚さが全面にでてて好きです！きのこさん！ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» え、嘘、い、急いで見てきますwww (2020年3月24日 23時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - きのこさん、そっこー行きましたよ！最高ですよ！寝れませんよ！笑 更新ありがとうございます！よくお見かけするみなさんと同じタイミングでコメントしてて笑いました。笑 (2020年3月24日 23時) (レス) id: 3ddef168f4 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» 更新しましたけど、全力で「寝て下さい」とお伝えしたいですwww (2020年3月24日 23時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ
| 作成日時：2020年3月10日 0時
