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『な、な、何がでしょう……』
松本さんが嘘みたいに綺麗な笑顔でにっこりと笑い、フリーズする私のことをヒョイっとゴマちゃんのように小脇に抱え上げた。
『ひゃ……！！』
叫ぼうとしたら、繊細そうな手にモゴッと口を塞がれる。
松「夜中は静かにね。」
そのままポイっとベッドに投げられたかと思ったら、続いて松本さんもベッドによじ登って来た。
『ひ、ひぇっ…！！！』
怯え切ってカタカタ震える私を見た松本さんはやっぱりニヤッと笑って、私の隣にドサリと寝っ転がった。
松「……別に何もしねーわ！
セクハラ上司って言われたくねーし。」
『こ、この時点でもはやアウトでは…！？』
松「だって俺はお前にベッドで寝ろっつってんのに、お前は俺にベッドで寝てほしいんだろ？
んじゃ、コレしかねーじゃん！」
『へ、屁理屈ぅぅ〜〜！！』
松「うっせ、我がまま小娘！」
…小娘。
まぁ確かに、松本さんから見たらそんなもんなんだろーな。
冷静に考えれば、私なんぞが手を出されるワケも無い。濡れネズミとペガサスだ。間違いなんて起こりようがない
なんだか拍子抜けした私は大人しく布団に潜り込んで、そーっと目を閉じた。
私に背中を向けた松本さんの体温が、ホッカイロのようにじんわりと伝わって来る。
誰かと寝るなんていつぶりだろう。
小さい頃は、よく妹と一緒に寝てたけどな。
そこまで考えて、突如として思い出す。
ココロの中の、重い重い鉛。
ふと、隣にある広い背中に甘えてみたくなった。
まだ幼稚園の妹が布団の中で私に甘えていたように
今日あったことをあれこれ話して、ただ笑顔で短く「うんうん」と相槌を打ってもらう。
そうやって私も誰かに優しくされて
お姫様のように甘やかされれば、少しは可愛い女の子になれたのかなぁ。
��Aは可愛いよ″
思い出す、優しく細められた目。甘い声。
『…松本さん。』
松「何？」
すぐに帰って来た、短い返事。
『…岸先輩、今日私の妹とデートしてたんです。研修の資料、まだできてないのに。
私じゃなくて、妹に会いに行っちゃった…』
ぽつりと呟いた、弱々しい言葉。
まるで小さな女の子みたい。
松本さんはほんの少しの沈黙の後、
松「…やっぱバカだなアイツ。
今度、俺がいじめといてやるよ。」
と、
背中を向けたまま
ほんの少しだけ、笑った。
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きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» びっくりした！ゆりさんかぁ（笑）おかわり嬉しいです！！じゅーん！！上司な嵐さんは最高や… (2020年10月6日 1時) (
レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - じゅーん！そして岸パイセン。今日幸せにおかわりしました。明日は京都編読もっと！(おかわりの報告ごめんなさい) (2020年10月6日 0時) (レス) id: 4c9de357d4 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - 涼杜兄妹さん» ありがとうございます(^^)岸くんはいつも「ただの岸くん」を目指して手探りで書いてます（笑）決して自信があるわけではないので、お褒めの言葉を頂けて嬉しいでするヽ(´▽｀)/ (2020年8月13日 14時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - きのこさーん！！岸くんやばいです！きのこさんが書く岸くんがタイプすぎます！PC画面見ながら手をきゅっと握られたいです！しかも紳士すぎる！キスまでで頑張って我慢してるのかわいい！そして続きが気になる…（笑）これからもきのこさんの岸くん楽しみにしてます♪ (2020年8月13日 10時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - まっちゃさん» わぁ、温存しがちなまっちゃさんじゃないですか！また読んで頂けて嬉しいです(^^)実はきのこの読者さんの中で岸担さんの割合って多くないんですが、岸くんのお話は異様にコメ欄が盛り上がるんですww岸くん自身のお人柄ですかね！楽しんでもらえたら幸いです！ (2020年5月10日 18時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ
| 作成日時：2020年2月4日 23時
