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廉「キャンセル出たってこの前連絡来たから、今日そっち予約してあんねん!ツインやなくて和室やけど、露天風呂付きやで!!」
『………えぇぇえええーーーー!?!?』
廉「この前の一件で、ぜぇーーーったい俺に惚れた!って思ってたから、爛淵ぅ好織ぅ潺鵐亜次″って思って予約してもーたんよ!!!
なのに他に彼氏できたなんて言われたら目も当てられんやろ!?だから玄樹の話聞いてから昨日までめっちゃビビってたんやて!!!
でもこれで心置きなくお泊りできるわぁ☆」
爛▲ぅ帖∪簑于燭企んでるで″
紫耀くんのハスキーな声が頭の中で再生される。
全然何がなんだか分からない…それでもギャーギャーと急かされて、ついつい言われるがままに荷物をまとめてしまう。
あまりの急展開にアワアワしてるうちに今度は腕を引っ張られて、強引に研修所の前に待機していたタクシーの中へと放り込まれてしまった。
そのまま20分ほど行って辿り着いた旅館は確かに立派で、殺風景で京都感ゼロだった研修所とは大違いだった。
手の込んだ柱細工や凝った生け花、廊下のガラス窓から見えるライトアップされた日本庭園などにいちいちため息をこぼしながら部屋へと向かう。
案内係の人が荷物を置くと、すぐに豪華な懐石料理が運ばれて来た。
永瀬は「こーゆーちっこい料理チマチマ食べても、お腹いっぱいになった気せーへんねん!」とブーブー言っていたが、結局食べ始めたら「うまい。」とよい子で平らげていた。
廉「あ、味噌汁青海苔やん!!」
『ホントだ!!
わーい!あの時飲めなかったから嬉しい!!』
廉「えかったなぁ〜、1番好きなもん最後まで残しとくタイプで!!」
『え?』
廉「最初からガッつくより、お楽しみあるやん?色々と♡」
ニッ…と意味深な笑顔を向けてくる永瀬。
細めた茶色い猫目はまるで月明かりのように妖しく光り、少し上げた顎と片方だけつり上がった口角に、「確実に仕留められる獲物を追い詰めて遊んでいる」といった風な、残酷な愉悦が滲んでいた。
『ヒッ………』
動揺した私は手を滑らせ、
またしても大好物の味噌汁は
お盆の上で、でろろん…という音とともに
無惨にひっくり返った。
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きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» 気づくのが遅くなりました!さーせん!通知来てねぇぞ?(怒)おかわりしはは、ありがとうございます!白米は旅館で出るので、そのあとに布団の中でもっといいもの与えてあげて(自主規制) (2020年10月14日 11時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - 久しぶりのしはは。感無量。良い子で平らげる廉さんに白米たくさん与えたい。ありがとうございました! (2020年10月5日 3時) (レス) id: 4c9de357d4 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ななかわさん» わーありがとうございます!微妙にノリの軽いチャラ廉は私もお気に入りですww好きになってもらえて嬉しいですヽ(´▽`)/たまーに質問頂くんですが、書いてる時は別にキュンともギュンともしませんww淡々としたもんで、全然潤わないですww (2020年4月16日 16時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ななかわ(プロフ) - きのこさんの作品でこちらが一番好きです。終始ドヤ顔風で、得意げにぜったい俺に惚れた!って思うれんくんを想像したらめちゃくちゃかわいかったのに、まさか真顔( ˙-˙ )で書いてらしたなんて……笑 (2020年4月16日 10時) (レス) id: fe68b6cd78 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - みずほさん» いえいえ、お話はお暇なときに読んでもらえれば十分ですよ!Black Jokeもハマってもらえて嬉しいです(^^)つい先日無事に完結しましたので、また思い出した時にでも覗いてもらえれば嬉しいです! (2020年4月16日 0時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ | 作成日時:2020年1月16日 23時