SHE! HER! HER! 【REN】

18 side...REN ページ18

廉「んじゃ…俺の降りる駅、次やから。」




てっきり家まで送ってもらえると思っていたのであろう妹は「え？」と間抜けな顔を晒しとったけど、すぐににこやかな表情を作り直して、俺の連絡先を聞いて来た。




電車の中で思いっきりデカい声で断ったろーかとも思ったけど、そんなもんで俺の腹の虫は治まらん。




笑顔でLINEのIDを教えて、手を振って電車を降りる。




その日寝る前にお礼の連絡が来て、それからは定期的に1日数回のメッセージが届いた。



俺からの返事は絶対に会話が続かないようなテキトーな一言ばかりにも関わらず、折れずに送り続けてくる根性だけは認めたるわ…




今まで雑魚ばっか取り巻きにしてたことがコンプレックスで、ホンマは「他人に自慢できる彼氏」が欲しくてたまらんのやろ？


大好きやもんな、マウント取るの。





そんなん見え見えやのに、自分では「モテキャラ」貫いとるつもりやねんな。

あんな優しい姉ちゃんのこと、踏み台にしてまで。



もういい加減メンドーんなって来て、返事せーへんまま放置しとったら、なんと職場の駅まで押しかけて来よった。



ぶっちゃけビビった…



でもまぁ、そりゃ場所知っとるよな…姉ちゃんと同じ会社なんやから。



その「前のめり」感、どうにか姉妹で足して割ることできひんかったんやろか………




「たまたま近くに用があったんですぅ！
またお会いできて嬉しい！今日お暇なら、このままご飯行きません？」




はい嘘ー。
ダウトーーー。



ぜぇぇっったい俺のこと待ち伏せしとったぁーーーー。






廉「ごめんなぁ。俺、帰りやなくて、これから取引先行くとこやねん！せっかくやけどご飯は姉ちゃんとでも一緒に行って、この前のお返しにご馳走してあげたらええんちゃう？」




笑顔でちょっぴり嫌味を言いつつ、わざと妹とは反対のホームへと駆け込む。





悪いけど俺、そんなに安い男とちゃうねん。




その辺、いまいちようわかっとらんみたいやなぁ…







ええ機会やから




親切な俺が正真正銘の「本物」




お灸代わりに、しかと見せたるわ。

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