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紫「A先輩、廉のどこ見とんねん。」
『え?』
凛々しい眉を顰めた紫耀くんが、苦虫を噛み潰したような顔で私のことを見ていた。
紫「アイツ、テキトーでガキっぽくてヤキモチ焼きのしょーもないヤツやけど……それでも、上辺に騙されてパチもん掴まされるよーなアホとはちゃうわ。」
『…パチもん?』
紫「あんなん、メッキ塗ってブランド品のフリしとるパチもんやん。廉みたいに子どもの頃からホンマにモテて来たよーな人間なら、そーゆーのはすぐに見分けつくと思うで。」
大人っぽくて自信満々なくせに、本当は人見知りで不器用な永瀬。
海人とのことを心配して、机を叩くほど心配してた永瀬。
そこまで警戒心が強く、他人をよく見ている彼が
たった一度、一緒に帰ったぐらいで
人を好きになったりするだろうか。
もし外見が好みだったとしても
いきなり猗狃″にしたり、会社の最寄駅まで呼び出したりするだろうか。
私の知っている永瀬と目の前の光景にどうにも違和感があるような気がして、思わず口を噤む。
難しい顔で黙り込む私の頭に、厚い手のひらがポンッと置かれた。
紫「ま!現時点ではとりあえず廉を信じて待っとくしか無いな!今日は研修の準備無いんやろ?
んじゃ、たまには俺とご飯行こっか!」
にっこり笑う紫耀くんの顔を見て、気圧されたようにゆっくりと頷く。
「何がええかな〜、やっぱ肉かな〜」なんて
歌うように独り言を言いながら、軽やかに歩き出す紫耀くん。
でも私の胸には、ほんのちょっと
小石のような何かが引っ掛かったままだ。
猯を信じて待っとく″
って、何だろう。
そんなのまるで
私が永瀬のことを
「好き」みたいじゃない。
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きのこ(プロフ) - ゆり:)さん» 気づくのが遅くなりました!さーせん!通知来てねぇぞ?(怒)おかわりしはは、ありがとうございます!白米は旅館で出るので、そのあとに布団の中でもっといいもの与えてあげて(自主規制) (2020年10月14日 11時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり:)(プロフ) - 久しぶりのしはは。感無量。良い子で平らげる廉さんに白米たくさん与えたい。ありがとうございました! (2020年10月5日 3時) (レス) id: 4c9de357d4 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - ななかわさん» わーありがとうございます!微妙にノリの軽いチャラ廉は私もお気に入りですww好きになってもらえて嬉しいですヽ(´▽`)/たまーに質問頂くんですが、書いてる時は別にキュンともギュンともしませんww淡々としたもんで、全然潤わないですww (2020年4月16日 16時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
ななかわ(プロフ) - きのこさんの作品でこちらが一番好きです。終始ドヤ顔風で、得意げにぜったい俺に惚れた!って思うれんくんを想像したらめちゃくちゃかわいかったのに、まさか真顔( ˙-˙ )で書いてらしたなんて……笑 (2020年4月16日 10時) (レス) id: fe68b6cd78 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - みずほさん» いえいえ、お話はお暇なときに読んでもらえれば十分ですよ!Black Jokeもハマってもらえて嬉しいです(^^)つい先日無事に完結しましたので、また思い出した時にでも覗いてもらえれば嬉しいです! (2020年4月16日 0時) (レス) id: 0b6ff0fe38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ | 作成日時:2020年1月16日 23時