Brulee 2【Ren.N】

44 ページ9

ものすごいキラキラオーラだ。
スタイル抜群の永瀬くんよりも、さらに一回り小さな顔。

太い腕に、厚そうな胸板。
男らしさ溢れるシルエットの中に、野生的ながらも美術品の如く美しい顔が収まっている。



そしてその顔を、私は見たことがあった。



廉「紫耀、何しとんねん、こんなとこで！！！」



紫「今日、ちょうどこの近くで撮影あってん。
マネージャーに聞いたら廉は夕方から学校行ったぁ言うから、もしかしておるかなぁーって！」



廉「こんなとこ来たら騒ぎになるやんか！何考えてんねん！！」



紫「別に、平気やろ。
この学校の人たちは、廉や顕嵐や健人くんで慣れてるんちゃう？」



焦る永瀬くんに構わず終始ヘラヘラしているこの人に、目が吸い込まれて離せない。
言葉を発したいのに、しゃべり方を忘れてしまったかのように声が出ない。



紫「ところで廉がさっきから捕まえとるその子は、廉の友達なん？？」



永瀬くんがハッとして、私の首から手を離した。



廉「えっと…同じクラスの…Aや。
あの、こっちは、同じキンプリのメンバーでぇ…」



『平野……平野さん。』



廉「…はっ？…えぇっ！！？？」



紫「おー、知ってくれてるんだ！ありがとぉ」




握手しようと手を出す平野さんの前に、何やら慌てた様子の永瀬くんが立ちはだかる。




廉「なんでぇ！？
なんで紫耀のことは知っとるん！？！？俺のことは知らんかったくせに！！！」



『…ドラマ観てました。』



紫「えー、ありが…「待て待て待て待て！！」



紫「なんや廉、うるさっ。」



廉「花晴れやろ！？ほんだら主題歌知っとるやん！！
ほんだらキンプリ知っとるやん！！おかしない！？！？」



『あぁ…いい歌だなと思ったけど、CD持ってる訳じゃないから…。でもドラマは最終回まで観てたよ。
えっ、もしかして永瀬くん、あの歌うたってるの？？？」



廉「嘘やん！！
えー…なんでぇ？同じクラスにおるのに…」

　

紫「仕方ないやん。廉はあのドラマ出てへんのやし。
シンデレラガールだって、いくら話題になった言うても、テレビで歌っとるとこでも見なきゃ、知り合いが歌ってるなんて気づかなくても無理ないわ。」



永瀬くんが納得行かない、という顔で私を睨みつけるが、そんなの構ってられない。




『あの…』



紫「ん？」



『…神楽木くん、すごくカッコよかったです…』



廉「………ハァァアああああーーーー！！？？？」

45→←43 side...REN

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す