いつかのあの選別 ページ31
＊
藤襲山には満開の藤の花が咲き乱れていた
既に何人かの入隊志望者が到着していた
当たり前だが黒髪ばかりだ
全員が俺の紅白頭に好奇の視線を送っている
もう慣れたがな…
白髪の女性に説明を頂き
約20名ほどの入隊志望者が入山した
7日間…この鬼の巣窟で生き残る…
俺は死なない…こんな所では死ねない
『鬼を倒さなくても 逃げれば勝ちなんだ…遭えば倒すけどな』
喋る相手がいないと人は独り言が多くなる
昔はそんなことなかったんだけどな…
俺も…人間らしくなったってことか
そんなことを考えながら山を練り歩いていると
前方から叫び声が聞こえた
なんか大きめの鬼がいるな…
異形の鬼って奴か？
そんな強え鬼いねぇって言ってたろ
なんで居るんだよ
「うわぁぁあ‼」
「助けてくれ‼」
叫ぶ前に身を隠せよ
自分の位置を相手に知らせて如何するんだ
全集中が出来れば逃げられるだろ
もっと頭使えよ (失礼)
なんて若干呆れながら
鬼と逃げる2人の間に割り込んだ
＿＿炎の呼吸 壱の型 不知火
いきなり目の前に現れた俺に鬼は驚いたようだった
2人に伸ばされた腕を斬り落とし
怯んだところを背後に回り込んで頸を落とした
『後ろ…ガラ空きだぞ』
父上から 鬼はもとは人間だったと聞いた
成りたくて鬼になったものは少ないとも聞いた
俺は鬼を赦すことは出来ない
でもだからといって…死してなお怨まれ続けるのは酷だと思った
赦せなくても…来世の幸福を願う事くらいなら
鬼を憎む俺にも出来ることだから
『次は……鬼になんてなるなよ…』
鬼はホロホロと崩れていった
7日後＿＿＿…
遭った鬼は取り敢えず全部斬り伏せた
左手に鞘を持つと戦い易いことに気がついた
襲われている入隊志望者を救けたりするうちに
あっという間に過ぎていった
藤の花の咲く山の中腹まで戻ると
其処には誰もいなかった
「お帰りなさいませ」
『はい。あの もしかして…俺、だけですか……』
「残念ながら…」
『そうですか…』
玉鋼を選び 隊服の採寸をして手の甲に階級を刻まれた
「では 貴方の相棒となる鎹鴉をつけさせていただきます」
女性が手を打つと1羽の白い鴉が飛んで来た
雛鳥なのか まだ小さい
『白いなお前…眼も赤い……』
大きさとしては雀くらい…掌に乗るな……
『俺とお揃いだ』
俺以外にこんなおめでたい色は初めて見た
『宜しくな…蕎麦粉丸』
「(蕎麦粉丸…中々に個性的ですね)」
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ゆぎ(プロフ) - 雨色の水滴さん» ありがとうございます！頑張って考えた甲斐がありました。他の話も書いてるので是非！これからも応援よろしくお願いします!! (2021年6月9日 2時) (
レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - 轟君かっこよすぎー！！後、技名のセンスが凄いです尊敬します。（真顔） (2021年6月8日 20時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - とこよさん» いや…ちゃんと見たらアレで良いんでした…水の呼吸の横水車的なくくりです。 (2021年4月18日 23時) (レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - とこよさん» あ"！ホントだ…ありがとうございます！気づかなかった… (2021年4月18日 23時) (レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
とこよ - 陸ノ舞の後にある、銀世界・告鳥って〇ノ舞とかつかないんですか？ (2021年4月18日 9時) (レス) id: 1a67d02ee8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぎ | 作成日時：2020年5月27日 14時
